入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’20年「夏」(60)

2020年08月11日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 午前5時、気温15度。きょうは快晴かと思ったら、時間が経つにつれて雲が出てきた。湯を沸かして朝の茶を飲みしばらく呆けて、それから3合の米を研いで6時、第1牧区へ上がる。今朝は牧区の入り口に車を置いて、歩くことにした。実は、昨日から和牛2頭を確認できず、朝のうちに牧区内を徹底的に見て回ることにしたのだ。
 放牧地へ入ると早起きの牛たちがすでに草を食んでいて、その向こうには西の空に青空が拡がり、昇り始めた朝の日を浴びて久しぶりに御嶽山や、北アルプスの一部が見えていた。生憎槍や穂高、それに乗鞍はわずかの雲に邪魔されて見ることができなかった。
 探している牛は4日の中間検査で上がってきた和牛の3頭のうちの2頭、35と37番だった。最初に出会った群れはホルスタインだけだったが、丁寧に耳標番号で確認していった。10頭いた。その後塩場まで行き、そこからダケカンバの生えている急な斜面を下った。そこには14頭の和牛と2頭のホルスタインがいて、この群れの中でも少し離れた場所で草を食む3頭の和牛が目に留まった。「鎧」と呼んでいる汚れが体にこびり付いていて、入牧して日の浅い牛であることがそれで分かる。
 探していた30番台の牛に間違いないと近付くと、35番と昨日確認済みの36番だったが、もう1頭は違った。そこでは結局14頭の和牛と、2頭の乳牛の確認で終わった。ということは、37番を含め2頭の和牛と、10頭のホルスがまだ未確認ということになる。そのうちの和牛1頭は30番だと分っていた。この牛は妙なくらい懐いていたから、こっちの姿を見ればすぐに近寄ってきて腕や足まで舐めてくる。
 沢を渡り、御所平に出て、さらに塩場へ戻る作業道で11頭の群れに出会い、そこで30番は確認できた。しかし、唯一未確認の37番はこの中にもいず、こうなると事故の可能性が一段と高まる。最早、普段牛を確認できるような場所を探しても無駄だと腹を決めた。





 この牧区には、諏訪氏の庇護を得て潜伏した、北条時行ら鎌倉幕府の残党も飲んだと思われる沢がある。牧区内を通り、遥か山室川へと流れ落ちている。牛は脱柵してはいなかったものの、その落ち口に1頭だけで"潜伏"していた。一応立たせてみると、特に異常はなかった。それにしてもムー、群れから離れ何が嬉しくてこんな所にいたのか。
 
 ここには秋風が立ち始めた。本日はこの辺で。


 
 
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