入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

牧人の休日 (13)

2015年02月05日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

    除雪されていたはずの林道はこのごとく

 2月3日、予定通り埼玉からのO夫妻と待ち合わせ、法華道の登り口となる芝平の諏訪神社へ向かった。そこで、初の沢の砂防ダムの工事現場の作業員から、耳よりの情報を得た。芝平峠から3キロ先まで、山作業のため除雪されているというのだ。となると、池の平の先まで車で行けることになる。仮にどちらも4,5時間くらいの行程だとしても、こちらの方が楽に行ける。急きょ法華道からの予定を変更して、林道を行くことにした。実はこれが今回の間違いのもとだった。
 車幅ギリギリに除雪された狭い雪道のため、枯木橋でO氏の車を捨て、夫妻はこちらの車に移乗した。そして峠までなんとか登ってみたはいいが、さらに3キロ先まで除雪されているはずの林道は、ナントそこで終わり、深い雪に埋もれていた。
 やむなくそこから歩くことにして、駐車場所を確保しようとしているうちに、今度は車がスタックしてしまった。3人で懸命に車を掘り出す作業を続けたが予想を超えた深雪で、時間ばかりか体力までも使い果たしてしまうという、お粗末な結果となってしまった。
 それでも、スノーシューの経験ないO氏がそれを試す間、氏の奥さんの山スキーを借りて少し雪の上を歩いたり滑ってみた。で分かったことは、幾つかある。まずスノーシュー(ズ)に比べて当然、山スキーの方が”浮力”がある。このコースは、前回スノシュー(ズ)で峠から牧場まで5時間を要したが、山スキーで行けばさらに時間を短縮できる。しかもこのコースは、斜度からいっても、山スキーで行くには理想的であることも分かった。下りはもちろん前回のように3時間もかからないだろうが、滑るというなら少し物足りない。
 スノーシュー(ズ)との比較では、どちらが楽かは一概には言えない。山スキープラス専用靴は、重量の点で足への負担が大きい。最新のものはかなり軽量化されているし、上手に滑らせていけばその点を超えるメリットがあるかも知れない。活用できる範囲はスノーシュー(ズ)の方がある、と言ってよいと思う。こちらはかなりの斜度や複雑な地形、森や林を行くことができる。ただし潜る。山スキーは、滑降の要素が重要視されるようになり、かなりのスキー技術が必要になってくる。それにはやはり山靴では無理で、歩行にも配慮されている専用靴が必要になる。また、あまり重量のある荷物を背負ってでは、滑降には向かない。
 
 かくして入笠牧場で雪の森や雪原を楽しみ、夜は凍れる星々や月を眺めることはできなかった。しかし、翌日FMZ君が東京から来て、二日間、愉快に過ごせた。彼は寒冷地救難物資を送ってくれたり、最近では各地の銘酒を二度に分けて、9種類1斗8升も送ってくれた。その彼が迎えの車を待ちきれず外にいて、何故外なんかで待っていたのかと車に乗ってから聞かれて言ったセリフ、「外の方がこの家の中よりも暖かい」だと。いくらなんでもそれはないが、彼はいつもそう言ってわが陋屋(ろうおく)をからかう。

 雪原に遁げたるキクのわが膝に当てにし爪を里の家に恋ふ   E.S
コメント
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