「赤飯」
主な伝承地域 道内全域
主な使用食材 うるち米、もち米、甘納豆
歴史・由来・関連行事
全国でもハレの日によく食べられる「赤飯」。北海道では甘納豆を入れた「赤飯」を食べる、独特の食文化がある。北海道以外の地域では小豆を入れて炊き、ごま塩で味付けされるため甘みはないが、甘納豆を使う北海道の「赤飯」は甘い。
甘納豆の「赤飯」は、由来は諸説あるが、昭和20年代後半ごろに、札幌にある学校法人光塩学園の創設者で初代学長の南部明子先生により「忙しいお母さんが手軽につくることができるように」と考案されたといわれている。自身も働く母であったため、「手間のかかる小豆の赤飯を炊くのは大変だが、子どもたちが喜ぶものを食べさせてあげたい」という想いから、米を炊いて甘納豆を混ぜ、食紅で色をつけるだけという簡単な調理法を確立した。
北海道の郷土料理の第一人者でもある南部先生は、全道各地で講演をおこなっていた。その際に、地方のお母さんたちに甘納豆を使った「赤飯」のつくり方を教えたところ、子どもたちが大喜びし、またたく間に人気を博したという。その後、新聞やラジオなどのメディアで紹介されるようになり、一気に道内に広まっていった。
食習の機会や時季
通年手に入るもち米とうるち米、甘納豆を使用するため、1年を通して食される。手軽につくれるため、家庭で調理されることが多く、学校給食にも出されることがある。全国の慣習同様、ハレの日の料理としても食べられ、甘いご飯ではあるが、おかずと一緒に食されることが多い。
飲食方法
もち米とうるち米を混ぜて食紅でほんのり色を付けて炊き、炊き上がった赤飯に甘納豆を混ぜる。そうすると、炊きたての「赤飯」の熱で甘納豆のまわりが少し溶け、その部分が特に甘くなる。考案者の南部先生のレシピでは、もち米とうるち米を1:1の割合で混ぜるが、その割合は好みが分かれる。また、各家庭によって独自のアレンジを加えられることも多い。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
北海道ではすでに「赤飯」といえば甘納豆の「赤飯」を指すことが多く、食文化として定着している。北海道のスーパーマーケットやコンビニエンスストアでは、甘くない小豆の「赤飯」よりも、甘納豆の「赤飯」の方が多く揃えられている。最近では、「赤飯が甘い」というインパクトから全国的にも認知度が高くなってきている。
11月23日の「お赤飯の日」(日本記念日協会登録)には、北海道のコンビニエンスストア、スーパーマーケットが連携し、PRをおこなっている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/sekihan_hokkaido.html より
道内ではスーパー・コンビニなどで販売されている。また「北海道のお赤飯の素」なども通信販売されている。
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