昨年でしたか、さほど遠くない埠頭に南極観測船しらせが入港したというので、好奇心に押されて見に行ってきました。海上自衛隊に所属する砕氷船で、自衛隊員と観測員合わせて二百人近い乗組員と物資を極地へと運んでいます。
この南極観測船は、初代の観測船「宗谷」、2代目「しらせ」に続く3代目だそうで、写真で、そばを歩く人の小ささがおわかりいただけるかと。艦のすぐ下を歩いていると、船の上のほうが全然見えないし、舳先のほうからは後ろが全然見えません。
甲板では南極の氷や石などが展示され、触ってきました。生活空間もある程度公開されていて、数人共同の部屋で長い旅を続ける乗組員の姿が想像できました。
「しらせ」という名前の由来ですが、陸軍中尉で南極探検家であった白瀬矗の名前からとって命名されたそうです。
独特の丸みを帯びた艦首は砕氷効果を高めるためだとか。近づいてよく見ると、分厚い氷を次々と破砕しながら進んできた引っ掻き傷のような跡がかすかに見えました。まるで人の人生みたいだなと、しばらく立ち止まって眺めていました。
今年もそろそろ出港するはずです。乗組員とその家族のために航海の安全と、地球の未来のために観測の成果を祈ります。