「おしん」。
田中裕子主演のときに絶賛し,乙羽信子になっても最初のうちの評価は変わらなかった。
しかし,この「再起編」の既視感といったら耐えられない。
それは「渡る世間は鬼ばかり」とまったく同じ展開だからだ。
いやいや,制作年度からいえば「おしん」から「渡鬼」が生まれたのであるが,それにしても田中好子が不憫に思えて仕方ない。
あえていおう。僕はキャンディーズ(南海ではない)では「スーちゃん」こと田中好子のフアンだったことを
小学生のときである。ラン・スー・ミキで誰が好みかという話になる。僕は迷わず「スーちゃん」と言ったら,周囲から「違う
」と総スカン。
いまだにわからない当時の反応であるが,田中好子に対してはおそらく何か「安心感」のようなものを感じていたのであろう。
その「スーちゃん」が俳優にて転向して戻ってきた,それも一流の俳優として。もう,この時点で僕の心は鷲掴みにされたのである。
話がだいぶそれたが,要は「おしん」が「渡鬼」になってしまって残念でしかない,というのがここのところの感想なのである。
原作者が同じである以上避けられない問題。「渡鬼」は5分も耐えられない番組だが,会社の女性は「いつも録画してみている」のだそうだ。女性と男性では「見る目」が違うのだろう。
まあ,30年以上前の再放送である。再放送に文句をいうのは「巨人の星」での「日雇い人夫」に文句を言うような愚かな行為。
4月になればまた新しい番組が始まる。
もっとも,自分も4月になったら再放送をのんきに見ていることなどできないかもしれないが。