この2Fで見つけた。もう絶版だった。
出崎統演出をいまさらながらに評価している。
僕が小学生の頃,いやさ幼少時にすでに監督デビューされていた出崎統。26歳でTVアニメ『あしたのジョー』を監督していたなんて,天才中の天才だ
「クールジャパン」と言われて久しいが,その基礎を作った一人であることに間違いはない。始祖は手塚治虫だが,手塚治虫ではなし得なかった技術・演出をやってのけた偉人である。
絶版なのでネット在庫なし。書店在庫をそのまま購入。
3000円チョイというけして安価ではない本だが,やはり購入してよかった。
出崎統演出には「ハーモニー」「透過光」「画面分割」などが知られているが,本書は「ハーモニー」の特集。2015年に初版発売されてそのまま絶版というのは惜しい。
『あしたのジョー2』が出崎演出の極致と言われている通り,本書もそのような構成。『劇場版 エースをねらえ!』は好きなんだけど,採り上げ方が本書では少ない。まあ,しょうがないでしょう。
一番感動したのは,「ハーモニー」がとてつもない手間をかけて作られていること。原画・セル・背景,この3つなくしてできない。撮影技術も然り,背景を描く技術も然り。デジタル技術のなかった時代に「職人魂」で作られたことを評価する。
「止め絵」だと思っていた。しかし,これは「ハーモニー」だ。
『あしたのジョー2』自体は何度も採り上げているので割愛するが,どうりで印象深い作品である。
『あしたのジョー2』から40年以上が経過して,すっかりCGが普通に"なってしまった”。個人的にほぼ馴染めないCGアニメ。『ガンダム』でククルス・ドアンの島が公開されているが,ウームという感じである。まあ,劇場を避けているのは何と言っても腰痛のためである。2時間固定されたらヤバイ。
そんなわけで,本書購入は古書でしか探し得ない。そしてそのレビューは適当なものばかり。
「食べログ」の評価で食事する店を決める世代でない自分。失敗こそ人生最大の楽しみだと思っている自分。そういう世代と,若い世代とはもうわかりあえないのだろうか,などと感じるほどである。