スピードの出し過ぎを主因とする16~24歳の若者の交通死亡事故が激減しているそうです。2009年は10年前に比べて81%の減少で、これはピークの90年比では実に93%の減少となっているそうです。
若者の車離れやパソコンやゲームで家にこもることが多くなったためなどと説明されているようですが、この減少率の大きさはそれだけでは説明できないようにも思われます。また秋田県のナマハゲが近年おとなしくなり、荒々しさが消えて草食系の新世代が目立つ、と天声人語に載っていました。
交通事故が減るのはまことに喜ばしいことなのですが、草食系男子という言葉が頻繁に見られるように、若者(男)が子羊のようにおとなしくなったのではないかと少し気になります。中国から日本に留学したら「龍がミミズになり、虎が猫になる」などと言われているそうです。
16~24歳というと好奇心が旺盛な、血の気の多い年頃です。私にも経験がありますが、スピードを出すのが楽しくてたまらない年代です。当然ながら危険を伴うので、止めた方がよいのはわかっていても、なかなか止められないものです。このような一見不合理とも見える行動は元々若者に備わった性質に基づくものと考えられます。自動車保険の保険料は20歳前後で極端に高くなっているのはその裏付けです。
ところで、サルの群れを観察している人の話ですが、食べ物の食べ方など生活様式の変化の試みはほとんどが若いサルによって始められると聞いたことがあります(真偽は不明)。
生物が環境の変化に適応していくためには自らを変化させることが必要です。冒険心に富み、型にはまらない若者の性質は社会にとっては様々な可能性を試みる機会をもたらすもので、集団の環境への適応に関して積極的な意味を持つものと思われます。それは生物が突然変異によって環境に適応してきたのと似ています。
事故は減ったとしても、冒険好きの元気な若者が減ることは必ずしも喜べません。何がその背景にあるのかは難しい問題ですが、たぶん複数の要素が関係しているものと思われます。おそらく教育も無関係ではないでしょう。
先日、若者をフィリピンやネパールなどの途上国に滞在させて、援助活動をする計画に関わっているカソリック教会の方と話す機会がありました。若者にとっても様々なことを学べるよい機会なのですが、外国で100%の安全はあり得ず、それを関係者に理解してもらうのが難しいということを話されていました。
近年、ずいぶん安全な世の中になりました。けれど100%の安全などあり得ません。しかしマスメディアは100%の安全があたりまえという姿勢で報道します。その結果、例えば公園の遊具での事故があると他の種類の遊具まで一斉に取っ払うというような強い反応を招きます。
途上国への派遣に限らず、リスクに対してあまり厳しくすると、教育上の制約となることは考えられます。日本社会が安全志向のあまり過保護体質になっているような感もあります。これらのことは若者の草食系化の背景として疑われるという程度であり、むろん推測の域を出ません。まあ角を矯めて牛を殺すということにならなければよいのですが。
若者の車離れやパソコンやゲームで家にこもることが多くなったためなどと説明されているようですが、この減少率の大きさはそれだけでは説明できないようにも思われます。また秋田県のナマハゲが近年おとなしくなり、荒々しさが消えて草食系の新世代が目立つ、と天声人語に載っていました。
交通事故が減るのはまことに喜ばしいことなのですが、草食系男子という言葉が頻繁に見られるように、若者(男)が子羊のようにおとなしくなったのではないかと少し気になります。中国から日本に留学したら「龍がミミズになり、虎が猫になる」などと言われているそうです。
16~24歳というと好奇心が旺盛な、血の気の多い年頃です。私にも経験がありますが、スピードを出すのが楽しくてたまらない年代です。当然ながら危険を伴うので、止めた方がよいのはわかっていても、なかなか止められないものです。このような一見不合理とも見える行動は元々若者に備わった性質に基づくものと考えられます。自動車保険の保険料は20歳前後で極端に高くなっているのはその裏付けです。
ところで、サルの群れを観察している人の話ですが、食べ物の食べ方など生活様式の変化の試みはほとんどが若いサルによって始められると聞いたことがあります(真偽は不明)。
生物が環境の変化に適応していくためには自らを変化させることが必要です。冒険心に富み、型にはまらない若者の性質は社会にとっては様々な可能性を試みる機会をもたらすもので、集団の環境への適応に関して積極的な意味を持つものと思われます。それは生物が突然変異によって環境に適応してきたのと似ています。
事故は減ったとしても、冒険好きの元気な若者が減ることは必ずしも喜べません。何がその背景にあるのかは難しい問題ですが、たぶん複数の要素が関係しているものと思われます。おそらく教育も無関係ではないでしょう。
先日、若者をフィリピンやネパールなどの途上国に滞在させて、援助活動をする計画に関わっているカソリック教会の方と話す機会がありました。若者にとっても様々なことを学べるよい機会なのですが、外国で100%の安全はあり得ず、それを関係者に理解してもらうのが難しいということを話されていました。
近年、ずいぶん安全な世の中になりました。けれど100%の安全などあり得ません。しかしマスメディアは100%の安全があたりまえという姿勢で報道します。その結果、例えば公園の遊具での事故があると他の種類の遊具まで一斉に取っ払うというような強い反応を招きます。
途上国への派遣に限らず、リスクに対してあまり厳しくすると、教育上の制約となることは考えられます。日本社会が安全志向のあまり過保護体質になっているような感もあります。これらのことは若者の草食系化の背景として疑われるという程度であり、むろん推測の域を出ません。まあ角を矯めて牛を殺すということにならなければよいのですが。