抑止力に関する自らの「無学」が招いた結果とは言え、鳩山首相は基地移設問題で激しく燃え上がった沖縄住民の反応によってはなはだ困難な状況に陥っています。その最中、閣僚である福島大臣が沖縄訪問して、まだ火勢が足りぬとばかり「火をつけて回って」いらっしゃるそうです。これは基地の辺野古移設を決めた政府の足を引っ張ることであり、閣僚としての鳩山内閣への背信行為です。
社民党党首として沖縄を訪問したので問題ないというのが福島党首のご主張のようですが、小学生の理屈のようで、どうもこれが納得できません。ひとつの人格を党首と閣僚という二つに都合よく「分割」できるものでしょうか。
この場合、党首としての職務を優先すれば閣僚としての職務を損なうことになります。逆も同様です。二つの職務の要請が相反する状態、つまり利益相反ということになるわけです。原発を推進する立場で仕事をしている人間が原発反対運動にやってきて「今日は市民運動家として参加します」と言っているようなものです。A社の役員が競合関係にあるB社の役員を兼ねるようなものと言ってもよいでしょう。利益相反行為は一定の範囲内のものは不法であるとされ、法による規制対象にもなっています。
閣僚が内閣に背く行為をする場合は、閣僚を辞してからするのがあたりまえのやり方です。鳩山首相もずいぶん甘く見られたものです。そして、それに呼応するかのように鳩山首相は福島党首のご期待に十分お応えになっています。
福島氏の背信行為に対して鳩山首相は不快感を示しながらも「私としては、党首としての発言はわかります」と理解を示しています。公然と内閣の足を引っ張る行為に対してこの寛容さはちょっと理解できません。党首の立場であろうが、内閣の仕事を妨害する人間はクビにするのが普通の社会のやり方です。
正々堂々と背信行為を働く閣僚、それに対しクビも切らず、逆に理解を示す首相、範となるべき政治のトップレベルでこのような異様なモラルの有り様を見せられるといささか不安になります。「友愛」あるいは「みんななかよく」なのでしょうけれど、どこかで見かけた「鳩山幼稚園」という言葉が浮かびました。
社民党党首として沖縄を訪問したので問題ないというのが福島党首のご主張のようですが、小学生の理屈のようで、どうもこれが納得できません。ひとつの人格を党首と閣僚という二つに都合よく「分割」できるものでしょうか。
この場合、党首としての職務を優先すれば閣僚としての職務を損なうことになります。逆も同様です。二つの職務の要請が相反する状態、つまり利益相反ということになるわけです。原発を推進する立場で仕事をしている人間が原発反対運動にやってきて「今日は市民運動家として参加します」と言っているようなものです。A社の役員が競合関係にあるB社の役員を兼ねるようなものと言ってもよいでしょう。利益相反行為は一定の範囲内のものは不法であるとされ、法による規制対象にもなっています。
閣僚が内閣に背く行為をする場合は、閣僚を辞してからするのがあたりまえのやり方です。鳩山首相もずいぶん甘く見られたものです。そして、それに呼応するかのように鳩山首相は福島党首のご期待に十分お応えになっています。
福島氏の背信行為に対して鳩山首相は不快感を示しながらも「私としては、党首としての発言はわかります」と理解を示しています。公然と内閣の足を引っ張る行為に対してこの寛容さはちょっと理解できません。党首の立場であろうが、内閣の仕事を妨害する人間はクビにするのが普通の社会のやり方です。
正々堂々と背信行為を働く閣僚、それに対しクビも切らず、逆に理解を示す首相、範となるべき政治のトップレベルでこのような異様なモラルの有り様を見せられるといささか不安になります。「友愛」あるいは「みんななかよく」なのでしょうけれど、どこかで見かけた「鳩山幼稚園」という言葉が浮かびました。