噛みつき評論 ブログ版

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筋違いの反対論

2014-06-23 08:57:38 | マスメディア
 集団的自衛権行使容認に反対する議論が盛んですが、その主張の根拠となり得るのは以下の2点でしょう。
1.このままでも日本は決して外国の侵略を受けることはない。
2.もし侵略されても日米の軍事力で対抗でき、米国の協力は将来も確実である。

 ところが朝日などの集団的自衛権の行使容認に対する反対は根拠を説明せず、日本が戦争する国になる、若者が戦場へ行かされて殺したり殺されることになるなどと、子供を説得するような感情論がほとんどです。国民の理解力をいかに低く見ているかわかります。説明してほしいのは、なぜ将来にわたって集団的自衛権の行使なしで安全が保たれるのかです。

 新聞のような活字メディアは詳細な説明が可能ですから、理を尽くして説明すべきです。例えば、日本は決して外国の侵略を受けないというなら、以下のことを十分な根拠をもって説明されては如何でしょうか。

 中国の軍事予算の増加は著しく、既に日本の数倍に達し、ステルス戦闘機や空母など海空軍力の増強に力を入れているが、これは他国に対する侵略や脅迫に使うためではなく、専ら災害救助などの平和目的のためである。また中国はかつてチベットや東トルキスタン(現ウイグル自治区)を併合し、いま南シナ海で紛争を起こしているが、日本に対しては軍事力によって領土的野心を実現しようとすることは絶対にない。これは将来中国にいかなる政権が生まれても変わらない。その根拠は▽#×△*◎×〇%□☆∂◇?・・・などと。

 また、日米の軍事力で対抗できるというなら、
米国が攻撃された場合、日本は参戦しないが、日本が攻撃されたら米国が参戦するという片務関係がいつまでも続く。中国の軍事力の増大にもかかわらず米国の軍事力はいつまでも圧倒的で、日本はタダ乗りという反対論が米国内で起きることはない。米国が参戦したら米本土に対して核攻撃をすると中国が脅しても米国は屈しない・・・。

 これらをきちんと論証していただないとまともな議論にはならないわけです。説明が足りないわけでなく、むしろあり余っているのですが、それが見当違いなのです。朝日は連日、作家や脳科学者など、有名人の口を借りて筋違いの説明ばかりで、うんざりです。作家や脳科学者が外交や軍事に詳しいとはあまり聞きません。有名であれば誰でもよいわけで、怪しげな健康食品のCMに有名人を起用するのと同じレベルですね。