噛みつき評論 ブログ版

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メディアの付和雷同

2016-08-15 09:20:48 | マスメディア
オリンピックに高校野球が重なり、テレビと新聞はスポーツに占領された観があります。まるで全国民がスポーツ好きだと思っているようです。しかし当初東京オリンピックの開催には半数以上が反対したように、スポーツ嫌いは少数とは言えず、彼らにとってこれは甚だ迷惑です。単に日本人というだけで、見ず知らずの、何の関係もない選手に関心を持てない人も少なくないでしょう。

 NHKでは地上波とBSの4波の内、なんと3波の大部分をオリンピックと高校野球に充てています。民放もかなりの時間をスポーツに充てており、地方局を除く地上波のすべてがオリンピックか高校野球をやっていることも珍しくありません。その結果、スポーツ以外の多くの番組が削られたことでしょう。

 放送局にとってスポーツ中継は楽な仕事です。ドラマや調査報道は時間も金もかかる割に視聴率が稼げるかどうかわかりません。しかしオリンピックや高校野球の中継は確実に視聴率をとれるのでしょう。多くの社員が優雅に夏休みを取ることも可能です。

 しかし今回はやり過ぎのように思います。例えば中国の漁船200~300隻と公船十数隻が大挙して尖閣周辺に押し寄せてきた事件はオリンピックや高校野球より遥かに重要なニュースだと思いますが、膨大なスポーツ報道に隠れて、一般には弱い印象しかありません。日本国民の反応が小さければ中国はさらに積極的になるかもしれません。

 中国のやり方はフィリピンやベトナムから島を奪った場合と同様の方法であるとされています。日本は5日連続で中国に抗議していますが、彼らは聞く耳を持たないようです。中国がさらに強行すれば、日本は黙って明け渡すか、武力衝突かの選択を強いられる重大な事態もないとは言えません。

 中国の意図についてはいろんな説がありますが、どれも憶測の域を出ず、また偶発的な要素もあり、深刻な事態へ発展する可能性があります。現在のように小さな扱いで済ませる問題ではないと思われます。様々な事態に対処するには事前の認識や準備が必要であるからです。

 日本のメディアは昔から一斉に同じ方向に走る傾向があると指摘されています。集中力があると言えば聞こえがいいですが、要するに付和雷同するだけです。ダイオキシン、環境ホルモン、賞味期限などの問題でそろって過大な騒ぎしたことをみてもわかります。戦前、戦争を煽り、国を誤った方向に導いたのもそのような性格のせいでしょう。オリンピックに対し、うちはスポーツには関心がないと、軽視する局や新聞がひとつやふたつあるのが健全というものでしょう。