噛みつき評論 ブログ版

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大金を払って動物を殺す人間

2016-08-22 09:17:29 | マスメディア
 昨年、アフリカのジンバブエで米国の歯科医が約600万円を払ってセシルという名のライオンを射殺したことが問題になりました。しかしこのようなことは特別なことではないようです。南アフリカではビジネスとして成り立っていることが報道されました(8/7朝日)。記事はハンティング用に220頭のライオンを飼育している施設を紹介しています。飼育されたライオンはやがて別の私有地に送られハンティングの対象となります。私有地でのハンティングは認められているそうです。ある業者では動物ごとの料金が設定されているそうです。シマウマ約13万円、キリン約40万円、メスライオン約80万円、オスライオン約200万~550万円と。

 南アのハンティング業界は数百億円規模の「産業」となり、その是非をめぐって論争が起きているようです。まあそれはともかく、私は大金を払ってまで動物を殺そうとする人間が少なからず存在することに驚きました。動物を殺すことがたまらないほどの快楽なのでしょうか。

 人間は長い間、狩猟生活をしてきました。また集団間では戦争が絶えませんでした。このような時代には、動物や敵の人間を殺すことに喜びを感じる性質はある程度の合理性があったと思います。殺すことを楽しむような性質は生存上有利に働いたかもしれません。

 しかし現代の先進国においては、このような性質は無用であるだけでなく、場合によっては社会にとって危険なものになりかねません。とはいっても長い時間をかけて獲得された性質なので簡単に解決できる問題ではないことも確かです。このような性質を強く備えた人間がどれほどの割合で存在するかは民族によって異なると思われます。

 ハンティングに訪れるのはほとんどが外国人で、6割が米国、3割が欧州各国、1割が中国だそうです。これで10割ですから、日本はないか、あったとしてもごく少数であると思われます。欧米人が多いのはやっぱりと思いますが、中国人が1割を占めるのは少し意外でした。富裕階級の人数とその国の文化も影響するので一概には言えませんが、性質の影響も多分あるのでしょう。

 かつて朝日の書評欄で京大卒の猟師が書いた本を紹介したことがありました。著者は猟を心から楽しんでいる様子で、またその本を取り上げた朝日の担当者も銃に強い関心を持った人物でした。日本にもそのような性格の持ち主が少数は存在するようです。

 オリンピックで日本は大分活躍しているようです。しかし日本が金メダルをたくさん取ることよりもハンティングの参加国ランキングに載らないことの方が、私には意味があることと考えます。日本の犯罪率の低さは世界に誇れるものですが、もしかしたらそうした日本人の性質と関係してるのかもしれません。もっとも根拠のある話ではありませんが、中らずと雖も遠からず(あたらずといどもとおからず)、ではないでしょうか。