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巨大賽銭箱の品格

2015-01-04 23:09:14 | マスメディア
 初詣客で賑う明治神宮の賽銭箱はなんと400畳もあるそうです。超大型の賽銭箱、なんとも壮大なものですが、それにはこの神宮の「御心」つまり本心が表れているような気がします。参拝者の便宜を図るという表向きの理由の裏に、何よりも賽銭を切望するお心が透けるようです。「謙虚」や「奥ゆかしさ」とはほど遠い世界です。

 人はお金を受け取るときでも、ちょうだいとばかりに手を相手に差し出しはしません。そんなことをすれば下品な人間とみなされます。早く出せと、お金を要求することは無作法な行為とされてきました。借金を取り立てることがお仕事の方は別ですが。

 お金は欲しいけれど、その気持ちを表に出すのはためらわれる、人にはそうした屈折した気持ちがあります。本心とは裏腹に、お金を卑しいもの、不浄なものと考える傾向もありました。

 明治神宮の巨大賽銭箱はこのような伝統的な文化、美意識を変えるものでしょう。メディアも面白いものを紹介するという態度で、浅ましいといった否定的な報道はありません。メディアの感覚も既に変わっているのでしょうか。

 古い伝統の上に存在する筈の神社が、お金に関しては伝統を否定するという面白い現象です。背に腹はかえられないということでしょうけど、儲かればよいという新自由主義に都合よく染まったようにも見えます。

 神社に参拝する人が何千万人あったとしても、宗教の信者と呼べるような人はほとんどいないと思われます。それは寺も同様で、葬式仏教といわれる所以です。原価ゼロの戒名を数十万円で販売する宗教商法は健在であっても、本来の仏教はすっかり形骸化しています。その多くは、形は宗教団体であっても実態はほとんで営利団体でしょう。

 このような宗教団体ですが、依然として非課税の優遇措置が続けられていますが、課税が実現すると税収は4兆円にもなるともいわれています。非課税の根拠として宗教の公益性など、様々に理屈がつけられていますが、実質的に宗教団体でないものまで優遇するのは筋が通りません。

 逆に、熱心な布教活動をしてきたオウム真理教や統一教会、幸福の科学などを公益性がある宗教だからと優遇してよいものか、考えさせられます。まあ宗教団体が母体である政党が与党である限り、改善は難しいでしょうが。


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