中国の姜瑜報道官というと、いつも怖い顔をして日本を非難する人というイメージなのですが、今回の尖閣諸島問題に関し、興味ある人は井上清・元京大教授の著作を読めと言ったそうです。
井上清は真っ赤な歴史学者として有名な人物ですが、調べてみると1972年に『「尖閣」列島--釣魚諸島の史的解明』という本があり、列島は元は中国のものであり、日本が奪い取ったものであるという内容です。本書の第一部はこちらで読むことが出来ます。アメリカ帝国主義、日本帝国主義、反動的支配者などのなつかしい言葉が頻出する、まさに「歴史的な」遺物の感があります。
1972年というと中国が領有を主張し始めた直後であり、この本はその主張を受けて書かれたようです。尖閣諸島は中国領だという主張が日本側から出たことは中国を大いに喜こばせたことでしょう。井上は後に中国社会科学院から名誉博士号を授与されたそうです(Wikipedia)。
この井上という学者は学問に名を借りて、自分の国の利益、つまり自国民の利益に大きく反する行為を平然とやっていたようであります。約40年後の現在、中国が持ち出してくることはその影響の大きさを物語っています。
ガリレオが「それでも地球は回っている」と言ったように、学問に忠実であろうとした結果、中国の領有権を認めるならまだしも、この人の場合は政治的な意図が透けて見えるようです。また自然科学の場合、一般に正しい解があり、正誤はいずれはっきりするものですが、領有権などの歴史解釈の問題は正解がないことが普通で、見る角度によってどうにでもなります。歴史解釈が政治的立場によって決まることは珍しくなく、政治色に彩られた歴史学はもはや学問とは呼べません。
南京大虐殺は日本の左翼メディアがわざわざ掘り起こして騒いだ結果、中国の反日運動に大きな力を与えたものですが、この解釈も立場によって大きく分かれています。左翼は30万人などと大きく解釈して被害を強調するのに対し、右翼は数万人規模と小さく解釈します。左翼は中国の国益を優先する傾向があるようです。数えた人がいるわけでなく、恐らく真相は永遠にわからないことでしょう。
左翼の基本的な動機のひとつは日本の軍国主義、帝国主義に対する嫌悪です。しかし皮肉なことに彼らが崇拝した中国がいまやっていることは、軍備を拡張し、なりふりかまわず領土の拡大を目指す姿はかつての帝国主義とそっくりです。おまけに言論の自由もないわけで、井上センセイが生きていたらなんと言われるか、ぜひ聞きたいものです。
井上清は真っ赤な歴史学者として有名な人物ですが、調べてみると1972年に『「尖閣」列島--釣魚諸島の史的解明』という本があり、列島は元は中国のものであり、日本が奪い取ったものであるという内容です。本書の第一部はこちらで読むことが出来ます。アメリカ帝国主義、日本帝国主義、反動的支配者などのなつかしい言葉が頻出する、まさに「歴史的な」遺物の感があります。
1972年というと中国が領有を主張し始めた直後であり、この本はその主張を受けて書かれたようです。尖閣諸島は中国領だという主張が日本側から出たことは中国を大いに喜こばせたことでしょう。井上は後に中国社会科学院から名誉博士号を授与されたそうです(Wikipedia)。
この井上という学者は学問に名を借りて、自分の国の利益、つまり自国民の利益に大きく反する行為を平然とやっていたようであります。約40年後の現在、中国が持ち出してくることはその影響の大きさを物語っています。
ガリレオが「それでも地球は回っている」と言ったように、学問に忠実であろうとした結果、中国の領有権を認めるならまだしも、この人の場合は政治的な意図が透けて見えるようです。また自然科学の場合、一般に正しい解があり、正誤はいずれはっきりするものですが、領有権などの歴史解釈の問題は正解がないことが普通で、見る角度によってどうにでもなります。歴史解釈が政治的立場によって決まることは珍しくなく、政治色に彩られた歴史学はもはや学問とは呼べません。
南京大虐殺は日本の左翼メディアがわざわざ掘り起こして騒いだ結果、中国の反日運動に大きな力を与えたものですが、この解釈も立場によって大きく分かれています。左翼は30万人などと大きく解釈して被害を強調するのに対し、右翼は数万人規模と小さく解釈します。左翼は中国の国益を優先する傾向があるようです。数えた人がいるわけでなく、恐らく真相は永遠にわからないことでしょう。
左翼の基本的な動機のひとつは日本の軍国主義、帝国主義に対する嫌悪です。しかし皮肉なことに彼らが崇拝した中国がいまやっていることは、軍備を拡張し、なりふりかまわず領土の拡大を目指す姿はかつての帝国主義とそっくりです。おまけに言論の自由もないわけで、井上センセイが生きていたらなんと言われるか、ぜひ聞きたいものです。
一方、自然科学も絶対ではなく、ある種の立場・思想に沿わない場合、パラダイムシフト後の常識でなくとも国家単位で公式には認めないことがあります。ナチスは地動説を否定していましたし、ガリレオを拘束し、その主張を翻させたバチカンも地動説を公式に認めたのはアポロが月に行ったあとです(ガリレオへの謝意を示したのは今世紀に入ってからじゃなかったかな?)。
実に馬鹿げた話ですが、我々が生きるこの世界は「合理性」によっては運営されてはいないようです。
巨大な主観を形成したものが勝ちの世界では横車を押してでも既成事実を成してしまえばそれが「歴史」化していくのでしょう。
実際、そのための理不尽な指し手を中国はごり押しし、日本は主にエコノミックな理由から引き気味に対処することで「既成事実」化を促進し続けています。
噴飯モノですがどうすることもできません。どうにかしようとするならやはりいくばくかの「理不尽」や「横車」を政府や大衆にごり押しするしかないでしょう。
自らの主観に沿って。
じくじたる想いですが如何ともしがたいですね。
ちなみにアタシの考えでは人民の「平等」を捨てた中国は最早共産主義国家ではありません。名称のみの共産党という「保守政党」が一党独裁する巨大な資本主義国家です。世襲制に堕した北朝鮮も共産主義国家とは言えません。強いて言うならキューバが唯一のソレでしょう。
ま、カストロの息子がエライ勢いで出世していることを考慮するとそれもぼちぼち終わりなのかな。
バチカンが今になって地動説を認めた話は冗談みたいなもので宗教のバカらしさを象徴していますね。
歴史が様々な立場から「利用」されるのはおっしゃる通りですが、国から給料をもらっているセンセイが他国のために働くというのはちょっと問題です。