厚労省の本省職員を対象にしたアンケート調査結果が発表されました。それによると厚生労働省政務三役の指示に納得している職員は1%に過ぎず、政務三役に「驕り」を感じる職員はなんと48%もいたとされています。
次はこれを報じた7月29日の朝日新聞の記事の一部です。
『調査は、長妻氏が厚労省改革のため省内公募した若手職員によるプロジェクトチームが6月に実施した。本省勤務の約3200人が対象で、省内LANを通じて749人が回答。28日に公表された。
上司の評価は、課長級、局長級以上、政務三役など役職別に調べた。「現実的なスケジュール感の観点から、納得のいく指示が示されている」という評価は、課長級38%、局長級以上29%に対し、政務三役は1%。「厚生労働行政に対する思いやビジョンが伝わってくる」では、課長級が29%、局長級以上が31%で、政務三役は15%だった。一方、「おごりを感じる」のは、課長級、局長級以上ともに6%だったが、政務三役は48%に上った』
組織のトップが「徹底的」に信頼されていない姿が見えるようです。就任後1年近くになってなおこの有様では行政機関としてちゃんと機能するのか、心配になります。
アンケートには好悪の主観が入ることは避けられず、長妻氏が厚労省の嫌われ者であったことも少しは影響があるのかもしれません。しかし、いかに嫌われ者であっても、蓼食う虫も好き好きという如く、たいてい2割や3割の賛同者はいるものです。したがって1%という数値は主観の影響よりも、現実の姿を反映していると見てよいでしょう。
1%という数値から推定できることは政務三役が厚労省の仕事を理解していないということです。つまり仕事をほとんど理解していない人たちが無理な指示を出しているという姿です。少なくともこのような状況下では一所懸命に仕事をしようという動機は損なわれるでしょう。
また半数が政務三役に「驕り」を感じているという事実は今後、政務三役が謙虚な姿勢で仕事を学び、立場にふさわしい指導者になる可能性が極めて低いことを示唆しています。驕る者に努力は似合わないからです。しかし新たな世界に入って早々と「驕り」という評価を頂戴するような「軽い」方々には残念ながら資質の問題を感じざるを得ません。
この「絶望的」なアンケート調査結果を発表された大臣の勇気には敬意を表したいと思いますが(隠蔽が困難だったのかも)、他省の方はどうなんだろうか、と気になります。企業でも役所でもトップが信頼されていなければ組織が効率よく機能しないのは同じです。企業であれば結果は業績に現れますが、役所の場合、結果はなかなか明確にならず、長期にわたって国民に不利益を及ぼします。
政治主導を掲げて各省庁に君臨した政務三役の能力に関して、官僚側から彼らをバカにするような匿名発言がしばしば聞こえてきますが、このアンケートはそれを裏付けるものと考えられます。
この件については朝日は他紙と比べるとまだ詳細な記事を載せています。といっても5面の下の方であり、目立つものではありません。このあと発覚した大阪の2児遺棄事件の扱いは厚労省アンケートの数十倍、数百倍の大きさです。扱いの差はメディアにとっての重要性の差を示します。メディアの価値判断の結果、遺棄事件は細部まで読者に記憶されますが、厚労省の問題はほとんど記憶に残らないでしょう、たいへん困ったことですが。
厚労省の調査結果は政治主導という民主党の大スローガンの下に行われていることの実態を知るのに貴重な材料を提供してくれます。これは政治の根幹にも関わることであり、小さな記事で済ませるものではないと思われます。他省についても同様の調査をする価値があるのではないでしょうか。
次はこれを報じた7月29日の朝日新聞の記事の一部です。
『調査は、長妻氏が厚労省改革のため省内公募した若手職員によるプロジェクトチームが6月に実施した。本省勤務の約3200人が対象で、省内LANを通じて749人が回答。28日に公表された。
上司の評価は、課長級、局長級以上、政務三役など役職別に調べた。「現実的なスケジュール感の観点から、納得のいく指示が示されている」という評価は、課長級38%、局長級以上29%に対し、政務三役は1%。「厚生労働行政に対する思いやビジョンが伝わってくる」では、課長級が29%、局長級以上が31%で、政務三役は15%だった。一方、「おごりを感じる」のは、課長級、局長級以上ともに6%だったが、政務三役は48%に上った』
組織のトップが「徹底的」に信頼されていない姿が見えるようです。就任後1年近くになってなおこの有様では行政機関としてちゃんと機能するのか、心配になります。
アンケートには好悪の主観が入ることは避けられず、長妻氏が厚労省の嫌われ者であったことも少しは影響があるのかもしれません。しかし、いかに嫌われ者であっても、蓼食う虫も好き好きという如く、たいてい2割や3割の賛同者はいるものです。したがって1%という数値は主観の影響よりも、現実の姿を反映していると見てよいでしょう。
1%という数値から推定できることは政務三役が厚労省の仕事を理解していないということです。つまり仕事をほとんど理解していない人たちが無理な指示を出しているという姿です。少なくともこのような状況下では一所懸命に仕事をしようという動機は損なわれるでしょう。
また半数が政務三役に「驕り」を感じているという事実は今後、政務三役が謙虚な姿勢で仕事を学び、立場にふさわしい指導者になる可能性が極めて低いことを示唆しています。驕る者に努力は似合わないからです。しかし新たな世界に入って早々と「驕り」という評価を頂戴するような「軽い」方々には残念ながら資質の問題を感じざるを得ません。
この「絶望的」なアンケート調査結果を発表された大臣の勇気には敬意を表したいと思いますが(隠蔽が困難だったのかも)、他省の方はどうなんだろうか、と気になります。企業でも役所でもトップが信頼されていなければ組織が効率よく機能しないのは同じです。企業であれば結果は業績に現れますが、役所の場合、結果はなかなか明確にならず、長期にわたって国民に不利益を及ぼします。
政治主導を掲げて各省庁に君臨した政務三役の能力に関して、官僚側から彼らをバカにするような匿名発言がしばしば聞こえてきますが、このアンケートはそれを裏付けるものと考えられます。
この件については朝日は他紙と比べるとまだ詳細な記事を載せています。といっても5面の下の方であり、目立つものではありません。このあと発覚した大阪の2児遺棄事件の扱いは厚労省アンケートの数十倍、数百倍の大きさです。扱いの差はメディアにとっての重要性の差を示します。メディアの価値判断の結果、遺棄事件は細部まで読者に記憶されますが、厚労省の問題はほとんど記憶に残らないでしょう、たいへん困ったことですが。
厚労省の調査結果は政治主導という民主党の大スローガンの下に行われていることの実態を知るのに貴重な材料を提供してくれます。これは政治の根幹にも関わることであり、小さな記事で済ませるものではないと思われます。他省についても同様の調査をする価値があるのではないでしょうか。
選挙によって選ばれた代議士でなくとも大臣になれるのならばプロフェッショナルを任に充てれば良いのでしょうが、なんだか煙たがれれそうです。官僚側からすれば余計なことをせず黙ってハンコだけおしてくれる大臣が良い大臣なのかもしれません。大臣本人もそのほうが馬鹿がばれずにいいかも。
地方の地元利権の代表者が分野に特化はしていても国家行政の長となるのだからいくらかの歪みはあって当然でしょう。
とはいえ馬鹿は困りますが(^_^;)
それにしても、政治よりも刑事事件の扱いのほうが大きいというのは……供給側だけでなく需要側にも問題があるのかもと思ってみたりして。
「とはいえ馬鹿は困りますが」・・・これに尽きるといってもいいです。欲しいのは官僚以上の有能な人物です。見通しは暗いですが・・・。