NHKと朝日新聞を見る限り、メディアの世界はオリンピック一色の観があり、他のニュースは存在しないかのような錯覚に陥りそうです。8/17の産経抄にも、「始まる前にはなんだかんだといっても、メディアは(小紙もそうだが)五輪一色だ」とありますから、日経を除く各紙は同じようなものなのでしょう。
16日の朝日新聞京都版は全28ページの内、1ページすべてあるいは大半をオリンピックなどのスポーツ記事で占められているのは11ページにもなります。それに全面広告が3ページ、株式欄とテレビラジオの番組が4ページありますから、残りは10ページです。そのうち下4段は広告ですから、一般記事は約6.7ページとなります。こんなときにも全面広告を入れる商売熱心さには頭が下がります。
一方、NHKはさらにひどくて、定時ニュースまで取っ払ってオリンピック中継をやっております。16日の夜は7時になってもニュースが始まりません。試合の途中ならまだわからなくもありませんが、レスリングの試合は既に終わっているのに終了後の光景を映しています。数分後にニュースが始まりましたが、これがまた直前のレスリングの、まったく同じ映像です。何度も同じ映像を続けて見せられるのはたまりません。
30分のニュースの内オリンピック関連が20分、残りは高校野球、プロ野球、そして大雨情報と毎年ワンパターンの帰省風景、これがすべてで、政治、経済、国際ニュースは皆無でした。オリンピック中継を続けているのなら、せめてニュースくらいはオリンピックで埋め尽くすようなことはすべきではないでしょう。
翌17日の昼のニュースは予定の12:05から40分も待たされた挙句、ニュースもまた同じ映像を含むオリンピックと帰省風景で全国ニュースは終わりでした。待たされている間、ニュースの開始予定時刻の案内は多分なく、このまま中継を続けますという字幕だけがありました。待たされる視聴者をバカにした話です。
NHKは総合とBS1、ラジオ第一の3波を使ってオリンピックを、教育とBS2で高校野球を放送しています。まさに集中豪雨のような報道ぶりです。スポーツに関心のない人も少なからずいる筈であり、それを無視するような姿勢です。過去のオリンピック放送を覚えていないので断言はできませんが、今回のような過激ぶりはなかったように思います。
公共放送がこれほどまでに特定の娯楽報道に傾斜し、公共放送としての通常報道の多くを放棄する姿勢に強い疑問を感じます。オリンピック放送のおかげで番組の製作に余裕ができた職員にたっぷりと休暇を楽しんでもらうためでしょうか。オリンピックは高額で購入した仕入れものなので、手間がかからないのでしょう。
オリンピック報道に限らず近年のNHKニュースの編集方針は視聴者に対する迎合が目立ちます。殺人事件や食品偽装を重視した姿勢はまるで朝日を尊敬しているかのようです。視聴率に縛られ、迎合が必要条件の民放ならある程度仕方がないと思いますが、視聴率をそれほど気にする必要のないNHKはもっと冷静な、毅然とした姿勢であるべきです。
今回のオリンピックでは、グーグルニュース日本版と日経新聞の冷静な報道が大変印象的です。オリンピックに興奮せず、他のニュースをきちんと伝えています。日経は20代、40代、50代の読者信頼度がトップですが(参考)、それは冷静な姿勢の反映とも考えられるでしょう。
「冷静さ」はメディアに要求される資質として大変重要なものです。国民よりもメディアの方が熱しやすくては日本人の特質とされる付和雷同気質はさらに助長され、社会の方向が合理性によらず、感情によって決定されかねません。そして冷静さの欠如というメディアの性格は体質に根ざしたものであり、オリンピック報道に限ったものでないことは過去の報道を見れば容易に想像できます。満州事変以後の新聞も恐らくこんな調子であったのでしょう。
16日の朝日新聞京都版は全28ページの内、1ページすべてあるいは大半をオリンピックなどのスポーツ記事で占められているのは11ページにもなります。それに全面広告が3ページ、株式欄とテレビラジオの番組が4ページありますから、残りは10ページです。そのうち下4段は広告ですから、一般記事は約6.7ページとなります。こんなときにも全面広告を入れる商売熱心さには頭が下がります。
一方、NHKはさらにひどくて、定時ニュースまで取っ払ってオリンピック中継をやっております。16日の夜は7時になってもニュースが始まりません。試合の途中ならまだわからなくもありませんが、レスリングの試合は既に終わっているのに終了後の光景を映しています。数分後にニュースが始まりましたが、これがまた直前のレスリングの、まったく同じ映像です。何度も同じ映像を続けて見せられるのはたまりません。
30分のニュースの内オリンピック関連が20分、残りは高校野球、プロ野球、そして大雨情報と毎年ワンパターンの帰省風景、これがすべてで、政治、経済、国際ニュースは皆無でした。オリンピック中継を続けているのなら、せめてニュースくらいはオリンピックで埋め尽くすようなことはすべきではないでしょう。
翌17日の昼のニュースは予定の12:05から40分も待たされた挙句、ニュースもまた同じ映像を含むオリンピックと帰省風景で全国ニュースは終わりでした。待たされている間、ニュースの開始予定時刻の案内は多分なく、このまま中継を続けますという字幕だけがありました。待たされる視聴者をバカにした話です。
NHKは総合とBS1、ラジオ第一の3波を使ってオリンピックを、教育とBS2で高校野球を放送しています。まさに集中豪雨のような報道ぶりです。スポーツに関心のない人も少なからずいる筈であり、それを無視するような姿勢です。過去のオリンピック放送を覚えていないので断言はできませんが、今回のような過激ぶりはなかったように思います。
公共放送がこれほどまでに特定の娯楽報道に傾斜し、公共放送としての通常報道の多くを放棄する姿勢に強い疑問を感じます。オリンピック放送のおかげで番組の製作に余裕ができた職員にたっぷりと休暇を楽しんでもらうためでしょうか。オリンピックは高額で購入した仕入れものなので、手間がかからないのでしょう。
オリンピック報道に限らず近年のNHKニュースの編集方針は視聴者に対する迎合が目立ちます。殺人事件や食品偽装を重視した姿勢はまるで朝日を尊敬しているかのようです。視聴率に縛られ、迎合が必要条件の民放ならある程度仕方がないと思いますが、視聴率をそれほど気にする必要のないNHKはもっと冷静な、毅然とした姿勢であるべきです。
今回のオリンピックでは、グーグルニュース日本版と日経新聞の冷静な報道が大変印象的です。オリンピックに興奮せず、他のニュースをきちんと伝えています。日経は20代、40代、50代の読者信頼度がトップですが(参考)、それは冷静な姿勢の反映とも考えられるでしょう。
「冷静さ」はメディアに要求される資質として大変重要なものです。国民よりもメディアの方が熱しやすくては日本人の特質とされる付和雷同気質はさらに助長され、社会の方向が合理性によらず、感情によって決定されかねません。そして冷静さの欠如というメディアの性格は体質に根ざしたものであり、オリンピック報道に限ったものでないことは過去の報道を見れば容易に想像できます。満州事変以後の新聞も恐らくこんな調子であったのでしょう。
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