旧下関英国領事館 ( きゅうしものせきえいこくりょうじかん ) は、
領事館用途で建設された日本における現存最古の建築である。
所在地は山口県下関市唐戸、竣工は1906年 ( 明治39年 ) で、
1999年 ( 平成11年 ) 5月13日に国の重要文化財に指定されている。
日清戦争後、朝鮮半島の政治経済的重要性に鑑み、
駐日英国大使アーネスト・サトウの本国への具申により、
1901年 ( 明治34年 ) 9月、英国政府は下関への領事館設置を決めた。
初代領事に就任したプレイフェアは領事館設置位置を下関側にすべきか門司側にすべきか、
既存建物を借りるか新営すべきか検討していたところ、
1902年7月になり、山県有朋と下関市長の斡旋で赤間町26番地に決めた。
英国工務局上海事務所から技師長ウィリアム・コーワンが当地を訪れ、
敷地調査の上、設計に取りかかった。
コーワンは英国工務局本庁を説得して、
大胆にもクィーン・アン様式の設計案を完成させたが、
日露戦争勃発のため工事は順延となった。
日露戦争後、神戸から工事管理者を雇い工事が始まった。
当館は1941年 ( 昭和16年 ) まで英国領事館として使用された後、
1954年 ( 昭和29年 ) に下関市の所有となった。
以降、下関警察署唐戸派出所 ( 1968年まで ) 、下関市考古館 ( 1986年まで ) 、
保存修理に伴う休館( 2008年~ ) を経た2014年7月の再オープン後は
記念館・市民ギャラリー等、公共の施設として利用され続けている。