讀賣新聞9月21日朝刊(解説面) に、ウォール・ストリート・ジャーナル9月15日掲載記事“電気自動車 最適な「音」探し”が載っていました。
その内容はつぎのようなものです。
米政府は、低速走行時に音を発しない電気自動車やハイブリッド車に対し、ここ数年のうちに、何らかの音を発する機能を装備することを義務づけることとした。目の不自由な歩行者などの安全を確保する目的である。
電気自動車はエンジンの騒音がなく、車内を静かにするための防音や遮音の必要もないのが長所だ。
しかし、目の不自由な人にとっては、車の存在を音で知ることができない。米運輸省道路安全局が行った調査によると、歩行者が自動車事故に巻き込まれる確率は、ハイブリッド車の場合、一般の自動車より50%高かった。
そこで、自動車メーカー各社は、最適な人工音を追求し始めた。ジェットエンジンや鈴の音、鳥の声なども検討されている。
日産自動車のマーケティング担当者は、電気自動車の「リーフ」の開発に際して、接近する車がリーフであることがわかるような独自の音を創り、他車と差別化を図るチャンスだと考えていた。
しかし、プロジェクトに協力したニノ・パチーニ氏(49才:23歳で視覚を失った)は「内燃機関の音は100年に渡ってあった。それで充分だ」と言った。
米ゼネラルモーターズでは、ハイブリッド車「ボルト」に、運転者が警告音を発することができる機能をつけたが、走行中継続的に鳴る機能も必要と考えている。それには、電話の音や鳥のさえずりではなく、本来の車の音であることが必要であると考えている。
トヨタも5年前から、人工音の研究を始めており、低速走行時にクラクションを鳴らすことも検討したが、それではうるさがられるかもしれない。
独ポルシェは「ボクスター」のEV版試作モデルで、ガソリン車のエンジン音のような音がスピーカーから出るようにした。スポーツカーの購入者は、とかくエンジン音が好きなものである。
日産は「リーフ」のために、様々な人材(音響デザイナー・大学の音分析研究者・視覚障害者等)を導入して音の組合せを研究している。日産の技術者が以前提案したジェット噴射器音のような音は、高音すぎて高齢者には聞きとれないものだった。また、人工音が運転者に与える影響も考慮しなくてはならない。
結局、日産は「ツイン・ピークス」という2つの周波数帯からなる音を開発し、車体の前部に前向きに設置したスピーカーから音が出るようにした。
車が通過したことを知らせる車後部のスピーカーがないので、完全ではないものの、かなり良いという評価をパチーニ氏から得ている。
感想
目の不自由な人に限らず、エンジン音というのは、車の存在を歩行者に知らせることに非常に役立つものだ。後ろから接近する車は大部分音でのみ認識されているだろう。
自転車等に乗っていても、後方から音が聞こえれば、端に寄って走るなどする。アクセルと連動したエンジン音の強さによって、その車の加速加減などもわかる。エンジンとは関係のない人工的に作られた音はそこまでリアルにはできないだろうが、無いよりはあったほうがいいに決まっている。
この音が、鳥のさえずりだったり鈴の音だったり、車によって様々な音が出されると、わけがわからなくなり、別の騒音問題も起こりそうである。やはりエンジン音に近いものがよいだろう。エンジン音に似た音でも、各社で人工的に作った音には差異があるだろうから、今後は音を聞いて車種がわかったりするようになるかもしれない。その音が車購入の選択条件になったりもするだろう。
日産では、かなり開発に力をいれているようなので、リーフの音を聞いてみたいものだ。
その内容はつぎのようなものです。
米政府は、低速走行時に音を発しない電気自動車やハイブリッド車に対し、ここ数年のうちに、何らかの音を発する機能を装備することを義務づけることとした。目の不自由な歩行者などの安全を確保する目的である。
電気自動車はエンジンの騒音がなく、車内を静かにするための防音や遮音の必要もないのが長所だ。
しかし、目の不自由な人にとっては、車の存在を音で知ることができない。米運輸省道路安全局が行った調査によると、歩行者が自動車事故に巻き込まれる確率は、ハイブリッド車の場合、一般の自動車より50%高かった。
そこで、自動車メーカー各社は、最適な人工音を追求し始めた。ジェットエンジンや鈴の音、鳥の声なども検討されている。
日産自動車のマーケティング担当者は、電気自動車の「リーフ」の開発に際して、接近する車がリーフであることがわかるような独自の音を創り、他車と差別化を図るチャンスだと考えていた。
しかし、プロジェクトに協力したニノ・パチーニ氏(49才:23歳で視覚を失った)は「内燃機関の音は100年に渡ってあった。それで充分だ」と言った。
米ゼネラルモーターズでは、ハイブリッド車「ボルト」に、運転者が警告音を発することができる機能をつけたが、走行中継続的に鳴る機能も必要と考えている。それには、電話の音や鳥のさえずりではなく、本来の車の音であることが必要であると考えている。
トヨタも5年前から、人工音の研究を始めており、低速走行時にクラクションを鳴らすことも検討したが、それではうるさがられるかもしれない。
独ポルシェは「ボクスター」のEV版試作モデルで、ガソリン車のエンジン音のような音がスピーカーから出るようにした。スポーツカーの購入者は、とかくエンジン音が好きなものである。
日産は「リーフ」のために、様々な人材(音響デザイナー・大学の音分析研究者・視覚障害者等)を導入して音の組合せを研究している。日産の技術者が以前提案したジェット噴射器音のような音は、高音すぎて高齢者には聞きとれないものだった。また、人工音が運転者に与える影響も考慮しなくてはならない。
結局、日産は「ツイン・ピークス」という2つの周波数帯からなる音を開発し、車体の前部に前向きに設置したスピーカーから音が出るようにした。
車が通過したことを知らせる車後部のスピーカーがないので、完全ではないものの、かなり良いという評価をパチーニ氏から得ている。
感想
目の不自由な人に限らず、エンジン音というのは、車の存在を歩行者に知らせることに非常に役立つものだ。後ろから接近する車は大部分音でのみ認識されているだろう。
自転車等に乗っていても、後方から音が聞こえれば、端に寄って走るなどする。アクセルと連動したエンジン音の強さによって、その車の加速加減などもわかる。エンジンとは関係のない人工的に作られた音はそこまでリアルにはできないだろうが、無いよりはあったほうがいいに決まっている。
この音が、鳥のさえずりだったり鈴の音だったり、車によって様々な音が出されると、わけがわからなくなり、別の騒音問題も起こりそうである。やはりエンジン音に近いものがよいだろう。エンジン音に似た音でも、各社で人工的に作った音には差異があるだろうから、今後は音を聞いて車種がわかったりするようになるかもしれない。その音が車購入の選択条件になったりもするだろう。
日産では、かなり開発に力をいれているようなので、リーフの音を聞いてみたいものだ。