重症筋無力症に負けてたまるか!

写真の無断転載禁止です カメラ抱えてスタコラサッサ
築地・浅草・京都・エゾリス 
興味を持ったものを写真とともに

石川達三の本を読んでみた

2009-12-24 00:11:07 | 読書




入院中に山崎豊子の「沈まぬ太陽」を再読した後、
村上春樹を読み返してたりしてたのですが
何かこう、
自分の本棚の中で読み忘れてる本がないかなと
新潮文庫の「あ」行の作家の場所を見ると

芥川龍之介・安部公房・赤川次郎

の次が石川達三だったんだよ。
ちなみにその次が泉鏡花や井上靖とか続いてるんだけど
石川達三の本って「青春の蹉跌」くらいしか読んでいなく
こりゃまとめて読んでみようかとなったんだよ。
学生の頃、古本屋で買っていたものの
ちっとも読んでいなかった。

近所のブックオフに行っても石川達三がぜんぜんなくて
(かなり絶版になってるので大型書店にも置いてない)
買い増しできなかったけど
とりあえず12冊はあった。
そういや近所のブックオフは
ここ最近すごい数の官能エロイぞ小説が増えてたんだけど
誰かまとめて売ったのかしら?
おおどれどれ久しぶりに買ってみようかのう~
と思うものの、
105円じゃなくて1冊400円くらいする。
再読することのない官能いや~んエッチ小説に
それだけのお金出せまへん。

さてさて。
写真左上から時計回りに

「蒼氓」
1930年頃のブラジル移民のお話。
船が出発するまでのゴタゴタや(一部)
45日間のブラジルまでの船内の話(二部)
到着してからの話(三部)
に分かれてます。
当時のブラジル移民の悲惨さは勿論だけど
内容はなかなか興味深いかな。

「四十八歳の抵抗」
ちょいと堅物の主人公が部下にそそのかされて
浮気をしたくなっちゃう。
熱海に不倫旅行へいそいそ行ってしまうも
なにも起きず。
やっぱり奥さんを大切にしよう、という話だったような。

「充たされた生活」
「泥にまみれて」
2つとも男と女の関係のお話。
人物と設定がちょいと違うだけ。

「望みなきに非ず」
元軍人の主人公のお家に間借りしてる大野木君がいて。
そのうち2人増えるのだけど、
家主に対して権利や主張がはげしい。
そのやりとりが読みどころ。

「愛の終わりの時」
娘や息子が家を出てしまった母親の愛情の喪失感のお話。

「青色革命」
12冊読んだ中で一番面白い。
矢作俊彦の「鈴木さんの休日」と内容が似ているから
鈴木さんが嫌いじゃなければ読みやすいです。
こういうひねくれた主人公の小説って結構好きです。

「幸福の限界」
またまた男と女のお話。
昭和20年代の話だと思えば退屈とも言い切れない。

「結婚の生態」
男女間の話が続くとだんだんパターンが読めてきます。

「若者たちの悲歌」
女性からの視点で話は進むけど
結局は男女間のあれやこれ。

「もっともっと自由を」
女子大の学生寮の風紀が乱れすぎ。
『ピル』という言葉がむやみやたらに登場するせいか
読後感が悪いです。

「青春の蹉跌」
司法試験の合格を目指す主人公は
学費をお世話になっている人の娘さんと結婚したい。
だってお金もってるもん。
だ~がしかし、
身体だけの関係の女性が妊娠してしまう。
主人公が取ったその後の行動は?
ってなお話。


男女の話が多すぎたのだけど
(それのほとんどが眠たくなるか投げ出したくなる)
「蒼氓」と「青色革命」はそのうち再読しようかな。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
そりゃ・・・ (へのへのぺこちゃん)
2009-12-25 00:42:56
石川達三って“男女なストーリー”の人だったのね。
男女なストーリーと言えば、渡辺淳一さんあたりも読んだことないです。
新聞連載されていた“化身”をチラ見していたりしたけど、なんか・・・。

タブロイド新聞でたまたま見かけた宇野センセの文体のがはるかに笑っちゃって面白いです。
なんというか、こう、そういう場面がどーのこーの、というより「アタシ…」って出だしが笑う…と思いませんか?
返信する
へのへのぺこちゃんさんへ (ポンスケ)
2009-12-25 23:16:14

石川達三の男女のストーリーは新聞小説が多かったみたいだよ。
途中から大衆小説家に転向したっぽい。
新聞小説といえば、渡辺淳一だよなぁ。
なぜ渡辺淳一のエロ小説が新聞で連載するのか…「失楽園」は日経新聞だったはず。
化身、むか~し読んだことあるんだけど
その当時は本を読む習慣がまだなくて。
親に渡辺淳一を読んでいるだよーって言ったら
両親が固まって凍りついてしまった(笑)

>宇野センセ
宇野千代さんかな?
ユーモアがあるんだよね~
自分が宇野千代さんを知ったのは
かなりの高齢になってた頃なんだけど
最初は小説家って思わなかったよ。
テレビの対談を見たとき
ただのオモロイおばあちゃんって思ってたなぁ。
祖父母の家に宇野千代さんの本があったんだけど、もらっとけばよかったなぁ。
返信する

コメントを投稿