想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

ほんとうに見えないか

2012-08-22 14:24:12 | Weblog
山百合の白がみどりの木々のなかでひときわ映えている。
百合の根がひろがって、去年より花が増えた。
おもがけないところにもまだ年浅い細い茎が生えだし花を咲かせた。
ねえ、どこから来たの?と問いかける。
花が咲いていると、むしょうに嬉しい。


胸の内にあるものは、言葉にしないと見えないのだろうか。
ある不確かな、不穏さはにじみ出ていなかったか。
ある時を境に、それがはっきりと形になっただけではないか。
導火線にくすぶっていた火種が燃え始めただけのこと。

火種は胸の内の小さな思いつきなんかじゃなくて、
己自身の驕りや怠慢さが生み出した「思い」ではないか。
微風が動かした空気でポッと熱くなったり、消えたりしながら
けれど消えないままずっとそこにあったものだ。
風が強いと消える、一瞬だけ消える。けれど熱は冷めないまま
くすぶっている。
消してしまおうという意志が働かないかぎり温存されたままだ。



不用意に口にしたその「思い」。言うのを躊躇した、つまり隠し事だ。
人に容易に語らないようなことを心のうちに隠し持っている信とは、
正しいのだろうか。
すぐに言わなかった理由は何か?理由しだいで悪にも善にもなろう。

悪と結ぶ相手は悪でしかない。
言わなかったことを「裏切り」と言ってくれてよかったのではないか?
信頼とは互いの「信」を頼むことだ。
怒ってくれる人は、少なくとも、潔い相手ではないだろうか。
善も悪も、理という流れに乗って行き着くのだから、悪から生まれた
ものは悪でしか極まらない。

表に現れた反応と事実を見る眼。
その眼に心が宿っていますように。






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