想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

「圏内の歌」を聴きながら

2012-08-23 12:04:03 | Weblog
「圏内の歌」  七尾旅人(ななおたびと)


火曜日、ひょんなことから古事記と旧事本紀にまつわる
話をした。旧事本紀はここでは先代旧事本紀大成経の事
である。もうずいぶん前のことになってしまって、少し
恥ずかしくもあるが、先代旧事本紀大成経とその周辺と
いう文章を書いていたので、それを読まれたかと思うが
ということで話をした。

帰宅して本棚から取り出して自分の書いたものが果たして
話の通りであったか確かめたくなった。
懐かしかった。
ここでカメなんぞと私が勝手に呼んでいる源宗先生の門
を叩いてまだ3,4年の頃に知った限りのことを詰め込み
書いたものであった。よく調べてはいる、そう思ったが
なにせ若書きというか、「私」丸出しの文は当時の私の
姿なのだろう、やっぱり恥ずかしいものである。

恥ずかしいのはたくさんあって、生きているうちに恥を
かかずにすむなどと無理なことだ、私にとって。
恥ずかしいけれども、いいかげんに新しいものに纏めて
おかないと、いつまでも生きていられるとは限らない。

「圏内の歌」は福島の人々を歌っている。
旧事本紀と源宗先生のことを書きながら同時に日本という
国がどこへ向かっているのだと激しく批判した。その時
福島の現在(いま)を予想だにしなかった。できなかった。
密かな怖れを抱きつつもリアルに滅びる様がこんなふうに
来ようとはおもっていなかったのだった。
この歌を聞いているとそのことを思った。
静かな諦めのような、そして恥ずかしい気持ちと少し似て
もいる。
神の前で人が無力であることを人は知らない、知っている
つもりなだけだったと。

激しさが必ずしも強さにつながりはしない。
再生する道を探すことがこれから生きることだ。
わたしは自分らしく静かに闘っていきたいと思うけれど、
静かに急いで。









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