ノルウェー北部、北極圏に位置するロフォーテン諸島は、”世界で最も美しい場所のひとつ”と言われる風光明媚な島。氷河の侵食により削り取られた大地が水没して出来た地形は、海から岩肌をむき出した崖が屹立しており、”アルプスの頂を海に浮かべたよう”と形容されます。(地球の歩き方から転用)
この島の主要産業は干鱈で過去にはベルゲンのハンザ商人の庇護で、最高級品として輸出されていました。現在は鱈の採り過ぎにより過去の収穫量の半分ということです
港で乗客や車を下した後、ボードーへ帰ってゆくカーフェリー。
モスケネスのキャンプ場に着いた翌日は島の最南端の村 オー(A)へ行こうと二人で海辺の道を歩きました。オーの村まで4.5Km道は車が交差できる幅はありますが、曲がりくねって上り下りの激しい道で、フェリーがモスケネスの港に着くと、はき出されたキャンパーやキャラバンがオーの村をめがけて、列を作って走ってゆきます。海に沿った道端には鱈が干され珍しい景観を作っています。
ところどころに小さな村があり、皆裕福そうで素晴らしくきれいな庭と木造平屋建ての家々が並んでいたりします。特に目に付いたのが各家の庭に必ず立っている国旗を揚げる高い柱でした。あちこちに国旗が翻っています。これはここロフォーテンだけではなく北欧の多くの田舎でも見られたのですが、初めに気づいたのがこの村だったわけです。
一軒の素晴らしくきれいな庭を見とれていると、その奥の童話の世界にあるような小さな家からおばあさんが顔を出し、鉢植えの手入れをしだしました。写真をとっても良いかと聞くととっても喜んでくれました。
オーの村の入り口のサインは英語圏の人たちには珍しく、車を停めて写真を撮っている人たちがいました。
村に入ってすぐトイレを探して、干鱈の博物館というのが有り入ってみました。館長が”君は日本人で初めてこの日本語の案内書を手にした人だ。”
と言って鱈の歴史からノルウェーの干鱈の料理方法まで教えてくれました。
世界でただひとつと言う干鱈の博物館は、昔はこの大きな建物の中で、水揚げした鱈の売買をしていたそうですが、近年の収穫量半減のため閉鎖に追い込まれ、博物館に変えたものだと言うことでした。
オーの小さな村の道路の行き止まりには、大きな駐車場があって、ほとんどのキャンパーがここで一晩を過ごすのです。この行き止まりの海辺で写真を撮ってバスでキャンプサイトまで帰ってきました。