英国にきて46年こんなに暑い夏は初めて。1976年ぶりだという。76年は私が英国にきてまだ4年目だからまだ英国の夏の気温に慣れていないのと、皮膚の汗の腺も開きっぱなしの状態だから、寒さはひどく感じても夏の暑さは全然感じなかった。
長い間この国の気候に慣れてしまうと汗の腺などしっかり閉じて、暑さに極端に弱くなってしまう。
6月末から1か月までに雨が降ったのは1-2回、どこもかしこも水不足で芝生は枯れ、野原も黄色になっている。それでもまだ庭へまくホースの使用禁止になっていないのが驚きだけど。
英国の家庭には冷房などないから、暑くて眠れない夜が何度もあった。ただこの国でいいのは一晩中窓を全開にして寝ていても蚊に襲われる心配はない。だから窓もカーテンも開けっ放しで明け方の冷たい風にシーツ一枚で震え上がったこともあった。
ポルトガルで知り合ったヨーロッパ各地の友達からもヨーロッパ全土が猛暑に見舞われているとのメールが来ている。
ポルトガル中央部内陸に住む英国人夫妻のメールによれば、彼らの庭での最高気温は48.3度だったという。午後の3時の一番暑い時に外へ出てみると、あたりは静まり返って虫の声も鳥の鳴き声もせず人影も見えない異様な雰囲気だったとのこと。昨年も山火事が広がり彼らの庭の一番大きな木に燃え移ったところで鎮火したとのことで、今年はいまだに燃えているシルヴェス(Silves)あたりの山火事のニュースを心配しながら眺めている由。
エジプトの海辺では犬が数匹海に浸かって涼んでいたことがあったが、ここでは犬も人もは日蔭で寝転がっているだろう。ポルトガルの家は床も壁もタイル張りのことが多い。彼らの家は全く夏用につくられている。
英国の猛暑といっても35度くらい、湿度も日本ほど高くないから自宅の風通しの良いところでじっとしているのが一番しのぎやすい。
雨が少ないせいで今年は果物も野菜も不作なのだそうだ。数年前に植えたグリーンゲイジの木には花がいっぱい咲いたが実際に実がついたのは10個もなかった。そして私が収穫したのは2個だけ、収穫の1週間前には4個ついていたからリスに食べられたのだろうと思う。このグリーンゲイジはプラムと大きさは同じくらいだが,甘酸っぱい味はプラムよりもっとおいしい。
マーケットへ行くと野菜が安くてほとんどが外国からの輸入品らしい。トマト 1山1ポンド、キーウイ20個も1ポンド、このスイカは3ポンド(450円くらい)スペインのヴァレンシア産とかいてあった。孫が喜んで食べるからいつも買ってくる。このスイカはマーケットで手に取ってたたいていたら、2-3人の人が寄ってきて自分のも見てくれという。一個づつたたいてこれは大丈夫おいしいよ。私は小さい時からスイカはよく知ってるから。と自慢して買ってきたが真ん中からスパッと切ったら中は黄色だったのでびっくりした。でも味は甘くて種もなく孫も大喜びだった。
7月中暑さが持続していたから、我が庭の巨大なイチジクの木も7月末から実りだした。一日おきに収穫して大体50-80個近く採れる。隣近所からロンドン市内に散らばる友達のところへも持っていってあげ、よろこばれている。木で実った果物ほどおいしいものはないが、お店で買ったものはまだ実らない間に採って輸送されるからまずい。
今年のイチジクは雨が少ないせいで実が大きくならない。小さい実のまま熟してしまい、早くとらないと鳥にとられるから、いつも競争。
この2-3日雨が降って庭の雨水をためるタンクは満杯になった。そして急激に寒くなり、気温20度くらい。春先なら気持ちの良い天気と喜ぶところが、もう夏が終わったのじゃないかと何となく悲しい。
日本はまだまだ暑い日が続いているとのNHK のニュース。熱射病にならないよう気を付けてこの猛暑を乗り切ってほしい。