今日はこの旅のハイライト、娘が一番行きたがっていた氷河を見るツアーに参加した。
朝8時15分、ホテルの近くにバスが来て乗せてくれたらもう殆ど満員だった。町外れの港で、カトマランの観光船が待っていた。中は3階に別れていて、どこでも座って良し。船酔いする私と娘はバスに乗る直前に酔い止め薬を飲んだ。
上の地図でご覧になれば判ると思うが、真ん中の下の赤い点が私達の港、ここもフィヨルドの一つでここから左上に向かって船は進む。どこもフィヨルドだから波は静かでほとんど鏡のような水面を進んでいく。
まだ8時半過ぎ、街は夜明けも来ていない。
東の山の向こうに朝日が上るのかやや明るくなってきた。
私が此の島を知ったのは、今から数年前、日本で大学教授をしていたイギリス人の友達が、此の島を訪れすばらしい山の写真を送ってくれた。それで写真を撮りにに行きたいものだと思っていたところで、娘がホリデーに行くという。すべてをおんぶにだっこで一切のプランもせずに付いて行って、此の島が世界の気候変動に要の研究場所であることを知った。
上の地図の左下、ピラミデン(Pyramiden )はロシアの炭鉱町だった。1910年スエーデンがここを開発し1927年ロシアに売却、一時は人口1000人にも上る街として栄え、学校や温室まで有ったという。
日本の炭鉱も1900年末期には閉鎖されたがここでも石炭の価格が下落したことや、飛行機事故などで多くの人命を失ったことで1998年炭鉱閉鎖、此の街はゴーストタウンになった。
ピラミデンの東側に広大な氷河がある。観光フェリーはその近くまで行ったが、もちろん上陸はできない。ここの氷河も一体いつまで残るものやら。科学者たちが大いに研究課題にしているであろう。
氷河近くの海は氷が張って時々大きな氷が流れてくる。今はまだ気温0度だけれどマイナス20℃位になったら此のフィヨルドにフェリーがはいってこれるだろうか?
船の進むに従って壊れた小さな氷が海水の表面の氷の上を滑っていく面白い現象をみた。
船のデッキですばらしい氷河と山々の写真を取りまくり、全身凍りついた。
お昼にパンと温かいスープが供され、寒さにかじんだ手を温めていかに空腹だったことかを知った。ディケンㇲのオリバーのように Can I have More? と言えたらどんなに良かったかと笑いあった。
夕方4時近く港へ帰ってきたら、クルーズシップが停まっていた。パトリックによればクルーズシップが一番環境を破壊する。地球温暖化を促進するという。
此の写真は2007年ノルウエーのブリックスダルの氷河で氷の中が神秘的なブルーだった。そして2013年の夏にも同じ氷河を見に行ったら、氷河は後退して高い崖の上に細々と遭ってものすごくがっかりした。もう今では氷河があるかどうかも判らない。