まだカメラがデジタル化されていない時期だから1990年代の終わりごろだったろう。ヨーロッパから一番近いサンゴ礁と言えば、エジプトのシナイ半島だった。
一週間の予定で真夏のとっても暑い時期に飛行機で飛んだ。
ホテルは高台にあり自分のビーチを持っていないのでとっても安かった。海岸線のビーチ付きのホテルは高い。それで毎朝10時過ぎかスノークリングの道具だけ持って、高級ホテルのお客のようなふりをしてそこのビーチへ降りてゆく。
毎日青空、太陽はギラギラ、あまり暑いのでローカルの犬たちも浅瀬に浸かって涼んでいるか日影で昼寝をしていた。
このプライベートビーチは大きな入り江の左側、そこからはホテルもなく崖と岩場がずーっと続いているからあまり観光客が来ない。
毎日2人で朝の10時過ぎから午後4時頃まで休みもせずに、泳いだり,写真を撮ったり、潜ったりしていた。今思い返してみると私達本当に体力があったなーと感心する。
毎日同じあたりで潜ったりしていると、一日に2回廻ってくる水中観光船?が近くを通ってゆく。
この船の下が透明ガラス張りの船室になっていて、お客は座ったままで水中が良く見える。私たちも潜るとそのお客達が良く見える。それで船が近づくと潜って手を振ると、お客達も大喜び。
ある日その船が私たちの隣で止まってコークを2本くれた。観光船の船員にしてみれば、私たちは格好の見世物だったのかもしれない。
シャーメルシェークは海がきれいで魚がいっぱい。こんなイーグル・レイなどホガダでは見られない。
顔だけ白いこの魚、漫画になりそう。
紅海で一番多いのがこのパロット・フィシュ、赤やオレンジ、グリーンに青と色鮮やかでサイズも30センチくらいはある。鋭い歯でサンゴをかじり真っ白のサンゴの砂を排泄してゆく。最近ロンドンのエスニックなお店では死んだパロット・フィシュを並べて売っているが、多分西インド諸島の人たちが買って食べるのだろう。
ホテルの朝食に出たゆで卵をいくつかもらって、水中でつぶしたところ、一面にあらゆる魚の群れに囲まれた。しかし近くに居たダイビングボートのインストラクターからやってはいけないと注意されたので、それ以後はやっていない。
ある日水深10メータくらいの海底に魚のトラップを見つけた。潜って行ってみると大きなウツボがはいっている。そしてその上に彼か彼女の配偶者のやや細めのウツボがとぐろを巻いていた。
こんな魚でも相手を心配して居座っているのを見ると、魚にも感情があるのだと思った。10メーターでは息切れがしてトラップを持ち上げられない。そこで500メーターほどの海でダイビングをしているダイバーボートへ助けを求めて泳いでいった。
10メータほど手前で I need Help (助けがほしい)と言ったとたん、ボートの皆が飛びこんだ!!!
2人のダイバーがスキューバーダイビングの装具で一緒に来てくれ、潜って行った。配偶者は相変わらずトラップの上に居たけれどダイバーがシュノーケルで追い払い、トラップにダイバーの浮袋を付けて空気を入れたため簡単に浮いてきた。
船にまで引っ張っていき私たちも船に上がって、彼らはそのトラップ(金網でできているらしい)を壊して巨大なウツボを海に逃がしてやった。このウツボが500メータの海底を配偶者の元へ逃げて行ったかは判らないけど、行ったと思うことにしたい。あんなに心配して私たちが近くへ来ても逃げもしなかった配偶者のため。
コメントありがとうございます。今まで気が付きませんで、貴女へのお返事が遅くなってしまいました。
海も旅行も亡くなったポールと同時に諦めましたが、優しい娘夫婦に助けられ、また昔の夢を取り戻そうとしています。
貴女の素晴らしい海の写真を見せていただいてとっても癒されます。ポールにも見せてあげたかったなーなんて思ってます。どうぞこれからもたくさんの素敵な魚の写真を載せてください。
私もフォローさせていただきます
英国にお住まいだったのですね!驚きました
紅海は一度でいいから行きたかったのですが
だんだん治安が悪くなるばかりでしたので
いつの間にか他のところへばかり行ってしまいました
イーグル・レイがスノーケルで見られるなんて・・
素晴らしいです♪
やっぱり行けばよかったですが
私も相当年齢が上がってきましたので
もうムリですね
ゆっくり読ませて頂いて楽しみます
これからもどうぞよろしくお願いいたします