希望屋 ~ren_ka ci=set~

twitterは @renka76139925 です。

東宝特撮映画DVDコレクション 04

2009年11月12日 21時35分11秒 | └映像ソフト
ブラウン管モニターの発熱量をつくづく感じるren.です。
液晶モニターになってから、部屋の温度が2度は違う。
ほんと、こうも寒い日は風呂に限ります。


● 「東宝特撮映画DVDコレクション 04」 ディアゴスティーニ
   https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/b9/73e05b4487b11a8ef35f744a2fe371f7.jpg
東宝SF冒険活劇映画の最高峰、「海底軍艦」(1963)。
架空戦記、海洋冒険、怪獣、ホラー、ラブストーリー、社会風刺……。
3週間で撮られたとは思えないほど、全てにおいて密度の濃い映画です。

特にテーマとしておかれているのが、「愛国心」。

太平洋戦争で国のために命を捨てた「愛国心」も、戦後20年が経った現代(作中時間)の若者には理解の外。
しかし、再び大日本帝国の再興のため、「愛国心」を捨てられない旧海軍「轟天建武隊」。
そして、はるか1万2千年前に海に沈んだムウ大陸の末裔達も、「愛国心」から地上征服への野望を燃やす。

2つの「愛国心」のぶつかり合いと、その古い考えへのアンチテーゼ。
まだ戦争の記憶も過ぎ去らぬ時代だからこそ、映画の中で描かれたそれはリアルです。
平成の現代でも、何かと取りざたされる「愛国心」。
そういう見地で観ると、単純明快な娯楽映画の中に、何かを見出せるかも、ね。

ま、そんな堅苦しいことはさておき、やはり魅力的なのは海底軍艦「轟天」でしょう。
現代まで何度かリメイクされた轟天号ですが、やはり初代が一番洗練されてますよね。
メカニックデザインは、あのSF冒険絵画の巨匠、小松崎茂さん

太平洋大戦時の潜水艦と、現代のロケット、そしてレトロフューチャーには必需品(?)のドリル。
それらが何の違和感もなく融合したデザインが、東宝の特技スタッフによって立体化、そして特撮とカメラワークによって、架空のものとは思えない存在感と格好良さを感じさせます。

地中潜行型ドリルメカとしては、先端の冷線砲とピストン運動によって、ドリルの進行をスムーズに行わせる工夫がされていたり、掘削した土砂の排出口が用意されていたり、細かな配慮が光ります。
飛行形態でも見せる艦橋の収納や、艦首の3方向に用意された円盤鋸のような回転カッターを、キャタピラのように使用するというのもかっこいい。

"過去の亡霊"同士の戦いは結局、轟天号がムウ帝国を滅亡させ、終わります。
滅び行くムー帝国へと飛び出していくムーの女王に対し、神宮寺はこう言います。
死を覚悟の上で帰るのだ……帰してやろう
立場は違えども、同じ「愛国心」という名のもと戦った者への賛辞なのでしょう。

轟天建武隊の面々や、轟天号のその後は、作中では描かれていません。
もうひとつの亡霊達は、どこへと帰っていったのでしょうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする