「地獄(1979)」
1979年 日本 131分
■監督:
神代辰巳
■出演:
原田美枝子
岸田今日子
石橋蓮司
林隆三
田中邦衛
金子信雄
天本英世
●あらすじ
不義によって産まれた娘が、成長して母親と同じ罪を犯してしまう。
死後、彼女は地獄に堕ち、七大地獄を目の当たりにする。
業の恐ろしさを描いた幻想劇。
(TSUTAYA DISCASより)
★感想など
本作もタイトルはただの「地獄」なんだけど、前のと区別が付かないため製作年度を足してます。
さて二度目の地獄映画は、何を思ったのか東映が製作。
まあ東映は1970年代の終わりの方は、角川の横溝正史ブームにあやかって変なオカルト映画をいくつも作っていたから
本作もきっとその流れの中の一本なのだろう。
だけど閻魔大王役を金子信雄にする辺りは
流石東映だねって感じだ!
今回の人間界の話は正に横溝正史の映画の雰囲気まんまで進むのが、
いかに東映がこういった映画が作りたかったのが良く分かる。
母親が村人に殺され、死んだ後に腹から生まれた娘が主役となる話。
あっと言う間に20年後くらいになり、昔の因縁が云々とかやり出すのは、マジで横溝正史の世界だよね。
今回の主役の娘は、生まれた瞬間から地獄を背負っていると言う凄まじい設定。
そして今回地獄に落ちる理由は、ずばり”近親相姦”
色々な意味で今では作れなそうな題材にしている辺りが、いかにも東映って感じで大好きだ。
地獄描写もそれなりに良かったとは思うが、元々東映には特撮の技術力が低いのもあって
1960年版よりもチープに感じてしまうのは、いささか残念なところだ。
あと特筆すべきなのが本作のOPで流れる歌。
まず何分間も真っ暗な映像の中で、ずっと暗いフォークソングが流れるだけなのは、
映画が始まってすぐなのに、もう地獄を連想させる感じがして暗い気持ちになる。
そのフォークソングを歌っているのは山崎ハコと言う歌手で、私は聴いた事はないのだが名前は知っていた。
「課長バカ一代」と言う漫画の中で、課長たちがバンドを組んでデビューを目指すんだが
デビューと同時に解散しようと言う事に決定する。理由は斬新だから。
そこで解散する理由を決めようとなって、主人公の課長が部下たちにこう聞く。
「音楽の方向性があわないから解散することにしよう。オレは山崎ハコが好きだがお前らはどうだ?」と聞くと
何と部下たち全員が山崎ハコが大好きな事が判明。解散できなくなってしまうと言うオチで終わるんだが
その中の部下の一人が言った台詞。
「山崎ハコのオールナイトニッポン。毎週聴いてました。」
そのラジオ、気になるっ!
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