大型台風が近付いているそうだった。
陽がさして物凄く蒸し暑く、「本当に来るのかなぁ」と怪しみながら、植木鉢が飛ばされないように置き直し、1年ぶりにシャッターを下ろし、懐中電灯も用意した。
これらのお勤めのご利益で、台風が独島方面へそれて行けばありがたいんだが.......。
池上彰さんの講演会を聞きに、飯能市郊外にある駿河台大学へ行った。
普段は講堂が会場になるが、話題の人の講演だ。大学は体育館に1000席を超える椅子を用意していた。
台風を警戒して、じじばばは多分来ないだろうと思ったらとんでもない。開演前には3階席までじじばばで埋まった。
もっとも講演会を聴くと単位に加算されるらしく、薄汚かったりケバイ駿大生もかなり混じっていましたが。
開講一番、池上さんは「こんな日なのに飯能にはよほど娯楽が無いんですねぇ」と上機嫌で聴衆をからかったけれど、飯能のじじばばは都会のじじばばよりも「反応がいい」んですよ。
通風だけ(?)の会場は酷い蒸し暑さになった。省エネも考え物である。
そのためか、始めの30分くらいはつい舟を漕いでしまい、後半の1時間しか聞いていなかった。
池上さんの講演は「週間子どもニュース」の頃と同様にとても分かり易かった。
講演内容は、一神教であるユダヤ教とキリスト教(コプト教、ローマカトリック、プロテスタント、モルモン教などを含む)、それにイスラム教などの開祖と、それぞれの微妙な違いや、原理主義者とアルカイダの見分け方と、宗教がキリスト教世界やムスリム教世界に、どれだけ強い影響を与えているのかなどを、池上さんの海外での体験談などを踏まえて話して下さったけれど、オバマ大統領対ロムニー候補など、現在只今真っ最中の話題が加わり、脳味噌が茹だっちゃって、一晩で「林住記」の記事になんかできるわけないよ。
因みにロムニー対立候補はモルモン教徒であり、アメリカでは異端視される。
その結果選挙はオバマが有利ではないか、と池上さんは予言していました。
だから「へ~そうだったのかそういえばそうだ」と百近くまで曖昧に覚えていた3件を以下に羅列しておきます。
・旧約聖書・新約聖書は、翻訳の「訳」でなく、神さま(ゴッド)との約束や契約にあたる「約」だった!
・ムハマンドはアッラー(神)の言葉を預かる「預言者」であり、占い師のような「予言をする人」ではなかった!
・イエス・キリストは「キリストさんちの息子のイエス」ではなく、「神(ゴッド)の子であるイエス」なのだった!
あ、お断りしておきますが、間違っていたら池上さんの責任では決してなく、とろとろしてた森生の所為ですから、熱心な信者の方々、お手柔らかにお願いしますね。
会場が暗くなった。開け放った3階席の空に黒雲が走り始めた。朝のお勤めの効果はなく、本当に大型台風が接近しているらしいことは、神さまでなくとも分かってきて、少しそわそわした気分になった。
池上さんは予定を2分超過しただけで、会場の雰囲気を読み、質問を受けずに講演会は閉会した。
自転車で会場に来た韋駄天さんは、「一斉に階段に押しかけないでね」と大学側が注意しているのに、人混みを押し分けて大急ぎで帰って行った。もういい歳なんだから危ないことは止めて、そろそろ落ち着かなくちゃね。
腰が痛くて山歩きができないと嘆いていたしゃもじぃが来ていた。
「前半は宗教じゃなく池上さんの経歴じゃないか」と口を尖らせた。「すいませんね」と森生が代わりに謝った。
でもあの調子なら腰痛は泣くほど大したことではないのだろう。
満員のスクールバスで西武飯能駅に着いた途端、大粒の雨が降ってきた。
大型台風がいよいよやって来たのである。
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