林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

見送られて

2014-11-28 | 林住期

今年から、同期会は昼間に開くことにした。
帰りが遅くなると差しさわりが多くなったのである。

去年意気消沈していたA君は今年は完全復活し、幹事君を差し置いて宴を差配する勢いだった。
B君は2度目の帯状疱疹を患い、元気が無かった。
C君は慣れない家事に弱っていた。

そして誰もが互いに不具合を労わりあい、妙に優しくなったようだ。

和やかな同期会を終え、まだ空いている西武電車で帰途についた。
途中駅で仲間は一人二人と降りてゆき、最後に残ったのはE君と森生の二人だけになった。

直ぐに別れる駅が来て、先に降りたE君は、終着駅に一人で向かう森生を、プラットホームに立ち、手を振りながら見送ってくれた。

  E君は会社の大幹部に上った人である。たしか、有名な姉妹会社の社長にもなったと記憶している。
  仕事は綿密で、何事にも全力投球。グループのオーナーから高く評価されていたのである。
  森生も綿密さでは引けを取らないが仕事に好き嫌いが多く、折衝・説得・接待と演説が苦手なため、出世競争で大きく差が付いた。

  だからE君にとって現役時代は、森生なんぞは点景に過ぎなかっただろうと思う。

  そのE君が、見えなくなるまで手を振って見送ってくれたことが嬉しかった。
  やはり出世する人は、他人への気配りが違うな、と思った。



3年前の暮。E君が嵌っているキャストパズルのことを「さっぱり分からん」と言ったら、新品のキャストパズルを送ってくれた。
しばらくの間、それと格闘したけれど、どうしても分解できず、そのうちどこかへ片付けてしまった。
次に会う時までに探し出し、何としても分解しなければと思う。

 今年のE君はは足を引きずっていたけれど、少しでも良くなることを祈ってるよ。

過去記事「河豚とスマホとドーナッツ」もご覧くださいね。
ゲンバ君がE君です。

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