その昔、地上波でロード・ショーと銘打って、金と土そして日曜日の夜にレギュラーで旧作を放映していた。現在も昔ほどではないにしても、特定のテレビ局で旧作の放映が継続されているのだが、今ではお金を少し払えば、レンタル、BS放送もしくはインターネット経由で、準新作が簡単に見ることができるので、地上波初と言っても旧作に属し、それほど興味の湧く対象でもなくなった。
また、年をとるにつれてあまり複雑なストーリーも敬遠するように成り、新作もしくは準新作の単純明快なアクション物を好むように成り、テレビの映画番組にあまり興味を示さなくなった。
とは言え、贔屓の役者が主演である場合は、ストーリーに関係なく観てみようかということもある。個人的贔屓のレオナルド・デカプリオとトビー・マグワイヤ(スパイダー・マンの人)による、2013年リメイクの“華麗なるギャッビー”が昨晩深夜に放映されていたので、アクション物ではないが、鑑賞することと相成った。
トビー扮するギャッビーの友人が、ギャッビーの伝記をまとめ終えたところ(伝記の題名をTHE GREAT GABBYと書き換えた場面)で映画はTHE ENDとなるわけだが、その少し前の場面でTHE BOAT AGAINT THE CURRENT(逆流に向かってボートを漕ぎ出す)という言葉が出てきた。
これは、本日アップする予定だったエリック・カルメンのソロ2作目のタイトルではないかと思い出した。ネットで調べてみると、フィッツジェラルドが1925年に出した小説THE GREAT GABBY(華麗なるギャッビー)からエリックが借りた物だというような事がわかった。 1977年に買ったレコードのライナー(朝妻一郎氏執筆)にはその事が記されていなく、つい先ほど観た映画から38年を経てわかったのだ。偶然とはいえ、少し驚く。
2作目のソロ・アルバム、THE BOAT AGAINT THE CURRENT(邦題、雄々しき翼)は、全米45位となり、タイトル曲のTHE BOAT AGAINT THE CURRENTとSHE DID ITは シングル・カットされ、それぞれ88位と23位であった。
このアルバムは、当初エルトン・ジョンのプロデュース有名なガス・ダッジョンを起用して英国で録音されるとの事だったが、いろいろとプロデューサーと衝突があったのか、オリジナルのプランを変更し最終的には自身でプロデュースする事になりアメリカで完成した。セルフ・プロデュースされた納得のいくエリックの自信作であったのだが、残念ながらチャート的には前作と比べると振るわなかった。
シングル・カットされた楽曲を検証してみると、
THE BOAT AGAINT THE CURRENTは前作のALL BY MYSELFとよく似たエリックのヒットの方程式に沿って書かれた、美しくダイナミックなスローバラードの佳曲であったが、少しアレンジに力が入りすぎた(少し大袈裟すぎた)のか、AMラジオでオンエヤーされ気軽に聴くタイプの曲ではないような気がした。そのためチャート下位に低迷したのでは…
また、反対にSHE DID ITは、ビーチ・ボーイズのブルース・ジョンストンをコーラス・アレンジャーとして迎え、ビーチ・ボーイズ・スタイルのコーラスを従えたアメリカ受けする楽しい楽曲に仕上がったのが、21位のヒットに繋がったと思われる。コーラスを加えたことによって、当初のデモ音源とは全く異なった楽しい曲に生まれ変わった。
そういえば、ブルース・ジョンストンは、このアルバムの数年前に、エルトンのカリブというアルバムの中の楽曲、DON’T LET THE SUN GO DOWN ON ME(僕の瞳に小さな太陽)でもコーラス・アレンジメントを担当している。これも偶然?
そして、ロンドンでの録音の名残かどうか、幾らかの曲のドラムはエルトン・バンドのナイジェル・オルソンによって叩かれ、またポール・バックマスターもオーケストラのアレンジャーとして参加している。彼らが参加した曲を聴くと、ガスはエルトンの2作目から4作目のスタジオ・アルバムのようなサウンドを狙っていたような気もする。
しかしながら、プロデューサーの言う事を聞いて制作し、それがいつも成功するとは限らない。実際、クリス・レアのデビュー時、第二のエルトンを目論みガスを起用したが成功には至らなかった。
ヒット狙いで著名なプロデューサーを起用したり、ヒットの方程式に当てはめて練りに練った楽曲を出しても、必ずしもヒットするものではない。前もって計算に入れていなかった、なんらかの偶然が時にヒットをもたらすこともある。
音楽の制作とはなかなか奥の深いものである。
Eric Carmen - Boats Against The Current
Eric Carmen - She Dit It
また、年をとるにつれてあまり複雑なストーリーも敬遠するように成り、新作もしくは準新作の単純明快なアクション物を好むように成り、テレビの映画番組にあまり興味を示さなくなった。
とは言え、贔屓の役者が主演である場合は、ストーリーに関係なく観てみようかということもある。個人的贔屓のレオナルド・デカプリオとトビー・マグワイヤ(スパイダー・マンの人)による、2013年リメイクの“華麗なるギャッビー”が昨晩深夜に放映されていたので、アクション物ではないが、鑑賞することと相成った。
トビー扮するギャッビーの友人が、ギャッビーの伝記をまとめ終えたところ(伝記の題名をTHE GREAT GABBYと書き換えた場面)で映画はTHE ENDとなるわけだが、その少し前の場面でTHE BOAT AGAINT THE CURRENT(逆流に向かってボートを漕ぎ出す)という言葉が出てきた。
これは、本日アップする予定だったエリック・カルメンのソロ2作目のタイトルではないかと思い出した。ネットで調べてみると、フィッツジェラルドが1925年に出した小説THE GREAT GABBY(華麗なるギャッビー)からエリックが借りた物だというような事がわかった。 1977年に買ったレコードのライナー(朝妻一郎氏執筆)にはその事が記されていなく、つい先ほど観た映画から38年を経てわかったのだ。偶然とはいえ、少し驚く。
2作目のソロ・アルバム、THE BOAT AGAINT THE CURRENT(邦題、雄々しき翼)は、全米45位となり、タイトル曲のTHE BOAT AGAINT THE CURRENTとSHE DID ITは シングル・カットされ、それぞれ88位と23位であった。
このアルバムは、当初エルトン・ジョンのプロデュース有名なガス・ダッジョンを起用して英国で録音されるとの事だったが、いろいろとプロデューサーと衝突があったのか、オリジナルのプランを変更し最終的には自身でプロデュースする事になりアメリカで完成した。セルフ・プロデュースされた納得のいくエリックの自信作であったのだが、残念ながらチャート的には前作と比べると振るわなかった。
シングル・カットされた楽曲を検証してみると、
THE BOAT AGAINT THE CURRENTは前作のALL BY MYSELFとよく似たエリックのヒットの方程式に沿って書かれた、美しくダイナミックなスローバラードの佳曲であったが、少しアレンジに力が入りすぎた(少し大袈裟すぎた)のか、AMラジオでオンエヤーされ気軽に聴くタイプの曲ではないような気がした。そのためチャート下位に低迷したのでは…
また、反対にSHE DID ITは、ビーチ・ボーイズのブルース・ジョンストンをコーラス・アレンジャーとして迎え、ビーチ・ボーイズ・スタイルのコーラスを従えたアメリカ受けする楽しい楽曲に仕上がったのが、21位のヒットに繋がったと思われる。コーラスを加えたことによって、当初のデモ音源とは全く異なった楽しい曲に生まれ変わった。
そういえば、ブルース・ジョンストンは、このアルバムの数年前に、エルトンのカリブというアルバムの中の楽曲、DON’T LET THE SUN GO DOWN ON ME(僕の瞳に小さな太陽)でもコーラス・アレンジメントを担当している。これも偶然?
そして、ロンドンでの録音の名残かどうか、幾らかの曲のドラムはエルトン・バンドのナイジェル・オルソンによって叩かれ、またポール・バックマスターもオーケストラのアレンジャーとして参加している。彼らが参加した曲を聴くと、ガスはエルトンの2作目から4作目のスタジオ・アルバムのようなサウンドを狙っていたような気もする。
しかしながら、プロデューサーの言う事を聞いて制作し、それがいつも成功するとは限らない。実際、クリス・レアのデビュー時、第二のエルトンを目論みガスを起用したが成功には至らなかった。
ヒット狙いで著名なプロデューサーを起用したり、ヒットの方程式に当てはめて練りに練った楽曲を出しても、必ずしもヒットするものではない。前もって計算に入れていなかった、なんらかの偶然が時にヒットをもたらすこともある。
音楽の制作とはなかなか奥の深いものである。
Eric Carmen - Boats Against The Current
Eric Carmen - She Dit It