CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

エスプレッソとアメリカン・コーヒー、I POOH

2015年10月17日 | EURO ROCK
二ヶ国語を話せる人は、“バイ・リンガル”、三ヶ国語の場合は、“トリ・リンガル”。

それでは、一ヶ国語しか話せない人は? 

それは“アメリカン”!とよく彼らをジョークで揶揄ることがありました。

実際、アメリカの会社がヨーロッパの会社と商用で交信する場合は現地の言葉ではなく英語で行われます。英語が世界的に共通語もしくは公用語の扱いを受けているので、どうしてもマイナーな言語は使用されません。

同様に英語圏以外からアメリカやイギリスに進出するミュージシャンは、ABBAやA-HAのように英語での歌唱が必須とされます。そうでなければ、歌なしのインスト物となります。

勿論例外もあり、身近なところでは故坂本九氏が歌った“上を向いて歩こう”が全米1位に輝きました。しかし、これは例外中の例外のケースでしょう。

以前紹介した、イタリアのプログレ・ロック・バンド、I POOHもアメリカ進出のため自作の既出曲を英語にて再録しアルバムとして出しました。それが1980年に出したアメリカ向けのアルバム、HURRICANEで、サウンドもアメリカ受けするようにディスコ・タッチや少し軽めのストリングスなどを用いるアレンジとなりました。

全編英語で歌われた楽曲は、残念ながら日本人が持つイタリアのバンドのイメージとは違う平凡なポップ・サウンドのように聴こえました。アメリカ人がそれをどのように捉えたかは定かではありませんが、アルバムがアメリカでチャート・インすらしなかったことから、失敗作となったのは間違いありません。

普段エスプレッソを愛飲している人が、急にアメリカン・コーヒーの味になじむことは難しいことから、一気にアメリカン・ナイズされたサウンドを持ち込むのではなく、ヨーロッパの香りを残しつつ彼の地に徐々に馴染むような感じのカプチーノで最初は攻めていくのがよいのでは?

Pooh - Hurricane