CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

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心変わり、エリック・カルメンのサード

2015年10月07日 | AMERICAN ROCK/POPS
ファースト・アルバムでは、自身のバック・バンドを従えてレコーディングを行ったわけだが、前作でのプロデューサーの意向によりバンドは解散し、セッション・ミュージシャンとゲストをスポットに迎えアルバムを制作。アルバム制作過程における紆余曲折を経て、出来上がった渾身の一枚のセカンド・アルバムが自身の予想とは異なり大きな成功を収められなかった。

通常アルバムのプロモーションとして、先行シングルを出し、場を盛り上げたところに、セカンド・シングルとアルバムを一気に投入し売り上げ拡大を図る。

前回ファースト・シングルとしてカットされたSHE DID ITは23位と健闘したわけだが、セカンド・シングルでアルバムの目玉であったTHE BOAT AGAINT THE CURRENTが88位と振るわず、アルバム売り上げ上昇につながるブースターの役割を立たせなかったことが、アルバム売り上げ不振の原因だったと思う。

やはり、シングルはアルバム収録の楽曲と異なりラジオ・フレンドリーでなければならない。そう言った意味で、セカンド・シングルだったTHE BOAT AGAINT THE CURRENTはAMラジオでオン・エヤーされるには、少し冗長で重すぎるサウンドであったのでは…

というわけで翌年の1978年に出されたサード・アルバム、CHANGE OF HEARTは文字通り、以前とは方向性が違うアルバムとなった。レコード会社のプッシュからか、シングル・ヒット狙いのためラジオ・フレンドリーを意識して曲も3分程度の長さで、また全体的に比較的軽いアレンジで各楽曲が制作された。

リード・シングルのCHANGE HEARTは親しみのあるメロディーを用いたミッド・テンポの曲で19位と大健闘したわけだが、セカンド・シングルはモータウン・サウンドのヒットをカバーであったBABY I NEED YOUR LOVIN’で、それ はファースト同様の方程式で制作されたのだが、振るわず62位。サード・シングルはなんとチャート・インしなかった。またアルバムも137位と大幅に沈んだ。

一体何が?

シングル・ヒットを狙いすぎ、全体的にスリックなイメージなったため、エリックの持ち味であった時にはオーバー・プロデュース気味のサウンドやねちっこさが消えてしまったことが問題なのか? それとも時代が求めていたものとサード・アルバムの音作りが若干ずれていたのか?

思いもよらなかった、セカンドとサード・アルバムの不発により、今後のエリックの音作りの方向性はさらなる混迷を深めるのであった。

続く…

しかし、

安心してください。腕利きのウエスト・コースト系のセッション・ミュージシャンに囲まれて制作された演奏は素晴らしいの一言です。

ERIC CARMEN Change Of Heart