今回は北の大地に住んでいるエゾシカの話です。
知床で。エゾシカが増えているという新聞記事が掲載されましたが、以前私が40年前、知床を旅した時は自然が豊で、今のように、シカ、ヒグマとの遭遇もありませんでした。
それが最近よく遭遇したと耳にします。
北海道におけるエゾシカの急増は、やはり温暖化の影響で雪が少なくなり、繁殖しやすい環境になったということでしょうか。
しかし原因はそればかりではない、70年代の高度成長期の森林の大規模伐採、牧草地、農耕地の急増もひとつの原因である。
この北海道の森。エゾシカの天敵がいないというのも問題があるが、棲んでいたら反対に、
日本狼のように滅ぼされて同じ結果になっていたかも知れない。
明治時代。肉や毛皮が重要な輸出品として出荷されていたが、乱獲で全滅寸前になり、禁猟処置がとられたために、その結果旺盛な繁殖力で一気に増加したのである。
この辺が、日本の計画性のなさ、将来の見通しの甘さである。
それが現在の道路、ダム、埋め立てに現れている。
いまその世界遺産である知床の森を構成している、イチイの遺伝資源保存林では96%の樹皮がかじられ、52%が枯れてしまったのである。
その結果。ハルニレ、トドマツに“食指”を向け始め、被害は拡大の一途をたどる。
確かにエゾシカに罪はない、知床のエゾシカは一時期、五十数頭にまで激滅したが、
1995年ごろ、阿寒湖周辺からの移入が顕著に。「今は2万頭ともいわれている」という。
以前エゾシカの生息は道東が中心であったのが、今では全道に生息圏を拡大し、
約40万頭になったと見られる。
原因は何か。
北海道環境科学研究センターの宇野裕之・野生動物科長は
「過去の保護策や高い繁殖率、環境の変化などの要因が複合的にからんでいる」と話す。
果たしてそうだろうか?
確かにこれらの要因も考えられるけど、一番の原因は開発ではないだろうか?
森の伐採、牧草地、農耕地の拡大、リゾート開発で湿原を埋め、森を切り開き、
自然環境を破壊したつけが、回ってきたのではないだろうか?
そう思えてならないのである。
以前は厳しい自然環境のなか、餌を捕食できない弱いシカやコジカが、厳しい冬を乗り切れずに命を落としバランスが保たれていたけど、今では作物を含めて手軽に捕食できるし、
雪も少なく、笹などが簡単に捕食でき、生存が容易になったのも一因。
ある意味で。人が温暖化と開発で、エゾシカの生息地を奪い、生態系のバランスを崩したのが一番の要因だと思うひとりです。
確かに。今のままでは両方が不幸。
ある程度の間引きは避けられないでしょう。単に間引き処分されるエゾシカは可哀相である。
食材の利用方法(ペット、給食、食肉としての流通など)を考えて処分を行ない、保護区の設定などを考えて対策を考えるべきである。
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