四季の旅人

私のブログは生きるを旅として、四季を歩きながらその表情を文に纏めているのが私のブログです。

冬は温泉がいい。

2008-12-03 | Weblog
定宿。

定宿ってある?そう聞かれたら即座に「あるよ」そう答える宿が私にある。
確かに、有名でもなければ知名度も高くないし、どちらかと言うとマイナーな宿である。
「そうそう、あるじゃないですか、温泉につきものの逸話が」
ここの温泉、先代が寝ていたときに夢枕に立った観音様が告げて、畑の中を掘ったところ湧き出したと言う温泉である。
地下1500メートルから噴出している、この辺りでは珍しい泉質の温泉である。
効能と泉質は別にして、今の時期は農繁期を終えた地元の昔の若い人で賑わいをみせている。
売店には万屋的な商品が並んでいて「おお・・珍しい」そう思うものが時々あって、故郷を捨てた私には嬉しいものがあるのである。
湯治場的な温泉で気さくに話せて寛げるこの温泉こそ私の定宿。
町に住んでいる私の友人を一度案内したことがあるのですが、流石に応えたのか・・・
「どうです、この時期温泉に入って地酒で一杯如何です」
そう誘うと躊躇う友人ですが、この何もないこの温泉宿、私は気に言っている。
一人でも気安く泊まれるし、泉質はいいし、料理も申し分ないし、安い。
露天もあるし、近くに酒を造っている酒造元もあって申し分ない。
ここを起点に、越前海岸、三国、永平寺、福井の朝倉義景の城跡にもいけるし、
いいとは思うのであるが、友達が敬遠するように何もない隠れ宿的でお忍びには丁度いいかも知れない。

名前は佐野温泉。
一応旅行雑誌には載っているので名前ぐらいは知っている人もいるかも知れないけど、
何もないのがいい宿である。
温泉と静けさと闇夜、これが売り物かな・・・
地元の日帰りが帰った後にひとりのんびり露天に浸って空を見る。
支配するのは闇、寂、☆、湯気だけ、何も考えない、思わない、時間を忘れて生きていることだけを楽しむ、それだけで十分だと思いませんか。
温泉からあがって濁りの地酒を一杯「グイ!煽るように飲む」
側に好きな人も居なければ文句を言う人も居ない。
何も考えないで後はひとり寝るだけ、これが定宿のいいところ隠れ場所。

朝はいつもメニューが決まっている。
大抵いつ行っても同じ内容で質素、素朴、粗食になれていないと夜の食事と朝のギャップに驚くかも知れないかな。
でもひとりで気楽に泊まれて、安くて、いい温泉で静かなのがいい、私の定宿。
この冬も、この冬の時期に食べられる水羊羹を味合うために定宿に行こうと思っている。
蟹はうまいけど高いし、足の三本ばかし出るこの宿の蟹で十分である。
私の定宿、佐野温泉。

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