一枚の落葉

11月の空に染まる、舞う、散る、積もる落葉
哀れと見るか哀しいと思うか？
綺麗さの中に潜む想い

夜明けの遅い街のなかに色彩が溢れ、厳しく冷え込むなかで、その鮮やかさに目を奪われるようになって来た１１月の半ば、空、街、樹木は初冬に向って深まりを高めている。
主役は落葉の一枚の落葉、染まり、風にさらされ、舞、散り、積もる。
風に弄ばれ、吹き溜まりを作り、静かに訪れる朽ちを待つ落ち葉。

この様々な色模様のなかに展開される哀しみ、慈しみを一枚の落葉に思うのは、
春から見てきたプロセスにその答えが出て、一粒の涙となって落ちるからか・・・
その涙も枯れそう。
一枚の落葉

何の変哲もない一枚
色
一色のように見えるけれど
よく見ると違う

形

朽ち
孔
欠け
傷
原型を留めているが違う
少し形が歪んでいる

木の葉も私も
終わりなんてそんなものか
そう思うと少し気が楽

褪せ
精彩の朽ち
この一枚の落葉のようになっていく
私
いま少し哀しい。