
思わず一言が漏れる。
冷たい雨が音を潜めるように降り出している。
夕方から雨、知ってはいたが、いつからか・・・気がつかない夕方の雨。
この暗い空のせいかな?
街全体が暗く寒く寂しく感じるのはこの雨のせいでしょうか、それとも人肌が恋しいクリスマス前のこの月の終わりのせいかな。
温もりの消えかかった手の平を、雨に曝しながら受けると、あなたがこの前の別れの時に流した涙の冷たい感触を想い出し、ハットして思わず手を引いてしまった今宵。
雨が激しく泣きじゃくるように降って、辺りを構わず濡らして、一歩進もうとしている私の歩みを止める今宵の雨。
「いつ止むの」尋ねても素知らぬ顔、おまえ意外と冷たいね。
今宵の雨、冷たくて寂しい。
温もり。

この暗さ
この寂しさ
この冷たさ
極めつけの雨
音を消して降るだけで暗いと思うに余計暗い
嫌な雨
灯りもぼかされ
濡れ落ちた雨に彩をみると
人が恋しくなる
思い浮かべる
一杯の湯気立つ熱いコーヒー
両手から伝わる温もりのなかに
あなたの優しい温もりを想い出し
ああ・・
一粒の溜息がこぼれる
寂しい冬の雨
たったこれだけなのに
つい
温もりを求めてしまう
人って・・・
悲しいね。
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