大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!37『赤ずきんの秘密』

2024-10-21 06:42:10 | 不思議の国のアリス
魔法少女なんかじゃねえぞ  これでも悪魔だ  悪魔だけどな(≧▢≦)!
37『赤ずきんの秘密』 




「赤ずきん、約束だっただろ。白雪の件が片づいたら話してくれるってよ」

「……覚えていてくれたの?」

「悪魔の記憶力は、神さまよりもいいんだぞ」

 分かれ道の奥まったところに、ころあいの日だまりを見つけ、魔法で小さなベンチを出して二人で掛けた。

「うれしいわ、覚えていてくれて……みんな、白雪さんのことに有頂天になって、わたしのことなんか忘れてしまったみたいだったから」

「だからさぁ、赤ずきん……」

「あの……」

「なに?」

「本題に入る前に、はっきりさせておきたいんだけど……」

「なんだよ?」

「わたしたちって、著作権が切れてるから、いいって言えばいいんだけどね……でも、やっぱ」

「やっぱ? なんなんだよ!?」

「夕べも言ったと思うんだけど、わたし、アンパンマンのキャラじゃないの」

「は……?」

「だから……」

「はっきりしろよ。天下の赤ずきんだろーが!」

「ほら、また……」
 
 赤ずきんは、ため息をついてうつむいてしまいやがった。

「わたし、赤ドキンじゃないの……赤ずきん」

「え……まだ、そんなふうに聞こえるのか?」

「う、うん」

「マユ、ちゃんと『赤ずきん』て言ってるぞ。ほら、今だってそうだし、三行前も、その前のト書きだって、六行前だって、この37章になってから、五回出てくるけど、ちゃんと赤ずきんになってるぞ」

 マユは、携帯魔法端末を出して今までのログを見せてやったぞ。

「ほんとだ……でも、わたしには赤ドキンて聞こえる」

「……これも、この世界のゆがみのせいなのかぁ?」

「じゃないかな。白雪さんは、マユちゃんが、なんとかしてくれたけど、まだ他のゆがみは残ったまま」

「そうだな、眠れる森の美女も、起きてきやがったし」

「わたしも先週までは、十歳の女の子だったのよ」

「ええ……どう見ても十八歳以上……どこ見てんだ?」

「あ、ごめんなさい……かたちのいい胸をしてるなって思って」

 マユは、頬を染めて胸を隠したぞ。

「どうせ、マユはBカップだ。おめえのCカップには見劣りするよ!」

「わたしDカップ……あ、そんなつもりじゃないのよ(;'∀')」

「ま、ま、いいけどな。本題よ本題。赤ずきんが、そんなになったのは先週のことか?」

「うん、六日前……猟師さんに助けられた明くる日」

「ああ、狼におばあちゃんといっしょに食べられて、猟師のオッサンが狼のお腹を切って助けてくれたんだよな」

「うん……その明くる朝、目が覚めたら、こうなってたの。最初はうれしかった、急にオネエサンになれたみたいで。それから心配になったわ。ひょっとしたら、一日ごとに歳をとって、一週間もしたら、お婆ちゃんより年寄りになってしまうんじゃないかって」

「でも、そうはならなかった……だろ?」

「うん、明くる日も、その次の日も、起きてみたら変化はなかったわ……」

「だったらよ、なんで、そんなにたそがれてるわけさ?」

「四日目にね……」

「!?」


 赤ずきんが、後を続けようとしたとき、後ろの分かれ道で人の気配がした。


――やあ、ここにいたのか!?――


 気配が口をきいた……。



☆彡 主な登場人物
  • マユ       人間界で補習中の小悪魔 聖城学院
  • 里依紗      マユの同級生
  • 沙耶       マユの同級生
  • 知井子      マユの同級生
  • 指原 るり子   マユの同級生 意地悪なタカビー
  • 雅部 利恵    落ちこぼれ天使 
  • デーモン     マユの先生
  • ルシファー    魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある
  • レミ       エルフの王女
  • アニマ      異世界の王子(アニマ・モラトミアム・フォン・ゲッチンゲン)
  • 白雪姫
  • 赤ずきん
  • 黒羽 英二    HIKARIプロのプロデューサー
  • 光 ミツル    ヒカリプロのフィクサー
  • 浅野 拓美    オーディションの受験生
  • 大石 クララ   オーディションの受験生
  • 服部 八重    オーディションの受験生
  • 矢藤 絵萌    オーディションの受験生
  • 片岡先生     マユたちの英語の先生  



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