【白梅】
姪っ子のSAORIは、真ん中の妹MIDORIの娘で、
この春から晴れて短大生。
彼女の逸話は数知れず、気がつくと清水一家全員が
振り回されている。
いつも半ばパニックを起こし、冷や汗をかきながら
「わ~ん、どうしよう!着る服がないっ。
ねぇ、お願い!この服貸して!!!」とか、
「やばい!遅刻する~。バイト先まで送って~!」
だとか半分泣き落としで迫り、
「本当ににごめんねぇぇ~、助かったよぉ!」
などと言われると、ああよかった、よかった!!と
ホッと胸をなでおろし、彼女の力になれたことに一瞬、喜びを感じる。
だがその直後、ハッと我に返り、
完全に彼女のペースにまんまとハマり、
完璧に振り回されていたことに気がつく。
ちゃんと前もって準備すれば、こんなことに
ならなかったんじゃないか?と思ったりするのだが、
不思議なことに腹が立たない。
妹夫婦が設定しているSAORIからの着信音は
スターウォーズの「ダースベーダー」のメロディ。
低い静かな音で「ダン、ダン、ダン、ダンダダンダンダダ~ン」
と迫りくる。「きっと、バイトが終わったから迎えに来て!という
電話よ。」と断定すると携帯電話の向こうで、
「ママっ?いまどこっ?」とハイテンションで聞いてくる。
かかってきた携帯のメロディーと、彼女の元気な声のトーンが
まったく違うところがSAORIたる所以(ゆえん)である。
私の息子も含め、子どもたちで集まると、
あまりにおしゃべりも行動も面白いため、
大人たちの注目を一身に浴びてしまうのは、小さい頃から。
***************************
そんな彼女が春から某有名テーマパークで
アルバイトをすることになった。
MIDORIが、学校と家との距離がちょうどいいんじゃない?
と一言いうと、次の瞬間にはネットでバイト情報をチェック。
春の採用にぴったり間に合う!と喜び、すぐに職場チェックを
兼ねて遊びに行ったのだそうだ。
そして面接を受けて、採用通知をもらったら
今度は電話でさっそく交渉にでた。
「あの、もしよかったら園内のお店、「○○○」で
働かせてくれませんか?制服もカワイイし、
お店の雰囲気をとっても素敵なので、ぜひお願いします♪」と
言ったところ、快く引き受けてくれて、配属となったのだとか。
本人は大満足で張り切って出勤したところ、バイト先の先輩たちは
「うちの店を選んでくれてありがとう~!」と
大歓迎を受けたそうだ。
なんの希望も出さなかった人は、不本意なセクションに
配属されることもきっとあるだろう。
「あ~、なんで私はこんな部署なの?ついてないわ・・・」と
思う人も当然いるだろう。
「希望を言っていいなんて知らなかったわ!」と不服に思っても、
言ってはいけないという規則や決まりも確かに、ない。
そして、MIDORIの証言を聞くと彼女は
これをやってみたい!とか希望や願い事は徹底的に“交渉”する。
希望がすぐに叶うときもあるだろうが、意にそぐわない返事のときには
「ねぇ、じゃ、こんな方法はどうだろう?」と妥協策を提案。
それでもだめな場合には、次の妥協案で迫り来る。
決してヘコたれずに、落ち込まずに、ひがまずに
ひたすら願いが叶うために「じゃあさ、」を繰り返す。
すると、交渉される側もあまりの粘り強さにだんだんと、
「まあこれぐらいならいいかな…」と
接点を見つけて折り合いをつけたくなる。
すごいことにSAORIは家庭内に限らず、どんな場面であろうと
願った希望はほぼ叶うそうなのだ。
そのベースになっている考え方は、「ダメでもともと!」という
“ダメモト”精神なのだそうだ。だからこわいものなしだ。
そして、どうしても思う通りにならない時には、
あきらめることもあるし、次に巡ってくるチャンスを狙う時もある。
あきれるほどのたくましさ、というか、
見上げるほどのたくましさ、というか、
羨ましいほどのたくましさ、である。
******************************
多くの人々は、すぐにあきらめてしまい、
やっぱりムリよ、とタカをくくり、
どうせ私なんか、と開き直ったりする。
そして・・・
時に、傷つくことを恐れて自分の思いを表現できなかったり。
時に、これはわがままなのだ、と思い込んで
伝えることさえせずにガマンしようとしたり。
そのどれもが、結局はさらに自分自身を苦しめる。
結果、希望通りにならなくてもいいじゃない!
ひとまず自分の思いを伝えてみよう。
主張を通そうとする粘り強さを近頃すっかり忘れて、
妙に、物分かりのよい私になり過ぎていないだろうか?
SAORIのような元気で明るく、そして
邪気の無い“交渉人”になることを私も見習ってみよう。
姪っ子のSAORIは、真ん中の妹MIDORIの娘で、
この春から晴れて短大生。
彼女の逸話は数知れず、気がつくと清水一家全員が
振り回されている。
いつも半ばパニックを起こし、冷や汗をかきながら
「わ~ん、どうしよう!着る服がないっ。
ねぇ、お願い!この服貸して!!!」とか、
「やばい!遅刻する~。バイト先まで送って~!」
だとか半分泣き落としで迫り、
「本当ににごめんねぇぇ~、助かったよぉ!」
などと言われると、ああよかった、よかった!!と
ホッと胸をなでおろし、彼女の力になれたことに一瞬、喜びを感じる。
だがその直後、ハッと我に返り、
完全に彼女のペースにまんまとハマり、
完璧に振り回されていたことに気がつく。
ちゃんと前もって準備すれば、こんなことに
ならなかったんじゃないか?と思ったりするのだが、
不思議なことに腹が立たない。
妹夫婦が設定しているSAORIからの着信音は
スターウォーズの「ダースベーダー」のメロディ。
低い静かな音で「ダン、ダン、ダン、ダンダダンダンダダ~ン」
と迫りくる。「きっと、バイトが終わったから迎えに来て!という
電話よ。」と断定すると携帯電話の向こうで、
「ママっ?いまどこっ?」とハイテンションで聞いてくる。
かかってきた携帯のメロディーと、彼女の元気な声のトーンが
まったく違うところがSAORIたる所以(ゆえん)である。
私の息子も含め、子どもたちで集まると、
あまりにおしゃべりも行動も面白いため、
大人たちの注目を一身に浴びてしまうのは、小さい頃から。
***************************
そんな彼女が春から某有名テーマパークで
アルバイトをすることになった。
MIDORIが、学校と家との距離がちょうどいいんじゃない?
と一言いうと、次の瞬間にはネットでバイト情報をチェック。
春の採用にぴったり間に合う!と喜び、すぐに職場チェックを
兼ねて遊びに行ったのだそうだ。
そして面接を受けて、採用通知をもらったら
今度は電話でさっそく交渉にでた。
「あの、もしよかったら園内のお店、「○○○」で
働かせてくれませんか?制服もカワイイし、
お店の雰囲気をとっても素敵なので、ぜひお願いします♪」と
言ったところ、快く引き受けてくれて、配属となったのだとか。
本人は大満足で張り切って出勤したところ、バイト先の先輩たちは
「うちの店を選んでくれてありがとう~!」と
大歓迎を受けたそうだ。
なんの希望も出さなかった人は、不本意なセクションに
配属されることもきっとあるだろう。
「あ~、なんで私はこんな部署なの?ついてないわ・・・」と
思う人も当然いるだろう。
「希望を言っていいなんて知らなかったわ!」と不服に思っても、
言ってはいけないという規則や決まりも確かに、ない。
そして、MIDORIの証言を聞くと彼女は
これをやってみたい!とか希望や願い事は徹底的に“交渉”する。
希望がすぐに叶うときもあるだろうが、意にそぐわない返事のときには
「ねぇ、じゃ、こんな方法はどうだろう?」と妥協策を提案。
それでもだめな場合には、次の妥協案で迫り来る。
決してヘコたれずに、落ち込まずに、ひがまずに
ひたすら願いが叶うために「じゃあさ、」を繰り返す。
すると、交渉される側もあまりの粘り強さにだんだんと、
「まあこれぐらいならいいかな…」と
接点を見つけて折り合いをつけたくなる。
すごいことにSAORIは家庭内に限らず、どんな場面であろうと
願った希望はほぼ叶うそうなのだ。
そのベースになっている考え方は、「ダメでもともと!」という
“ダメモト”精神なのだそうだ。だからこわいものなしだ。
そして、どうしても思う通りにならない時には、
あきらめることもあるし、次に巡ってくるチャンスを狙う時もある。
あきれるほどのたくましさ、というか、
見上げるほどのたくましさ、というか、
羨ましいほどのたくましさ、である。
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多くの人々は、すぐにあきらめてしまい、
やっぱりムリよ、とタカをくくり、
どうせ私なんか、と開き直ったりする。
そして・・・
時に、傷つくことを恐れて自分の思いを表現できなかったり。
時に、これはわがままなのだ、と思い込んで
伝えることさえせずにガマンしようとしたり。
そのどれもが、結局はさらに自分自身を苦しめる。
結果、希望通りにならなくてもいいじゃない!
ひとまず自分の思いを伝えてみよう。
主張を通そうとする粘り強さを近頃すっかり忘れて、
妙に、物分かりのよい私になり過ぎていないだろうか?
SAORIのような元気で明るく、そして
邪気の無い“交渉人”になることを私も見習ってみよう。