お茶の水に用事があってやってきた。
そういえば、
二コライ堂のすぐ近くだったわ、と思いおもわず回り道。
10代だった学生時代の頃、
まだ海外は遠い世界だった時に初めて訪れたのが
今から25年ほど前。
突然、異国が目の前に現れて
感激したのを覚えている。
正式には「東京復活大聖堂」というのだそうだ。
100年以上前の
明治17年から7年をかけて24年に完成。
ロシア人大学教授の設計、
イギリス人大学教授の監督で建設された
日本最大のビザンチン様式の建造物で重要文化財に指定されている。
日陰にはまだ雪が残る
冷え込み厳しい真冬の夕暮れどき。
寒さに身を縮めて足早に往来する人々。
ピンと張り詰めた空気と
ビルの間から見え隠れする夕陽が美しい。
厳寒と喧騒に流されず、
ここだけ時がゆったりしているみたい。
25年前よりも周囲のビルは増え、
私もすっかりと年を重ねてしまっているけれど、
ニコライ堂には
以前と変わらない時間が流れていた。