東海道五十三次
品川宿の名残を受け継ぐ
地元、鈴ヶ森。
今は品川といえばやっぱり都会のうちに入る…っていうより
ほかから見たら大都会になるかもしれないが、
その昔は
江戸のはずれの彼の地だった場所。
2年に一度の大祭を
明日、明後日に控えて、
十六夜の今宵、
お神輿の御霊(みたま)入れの行事が行われるのだろう。
粋でイナセなハッピ姿に身をあらためた
町内会の皆さんが集まっていた。
氏神様をお迎えして、
一晩お神輿の側で夜を明かし、
早朝からの祭礼にスタンバイする。
御霊の入った神輿で町内を練り歩くことで、
町を清め浄化し、災いを取り除き
幸を呼び込み、秋の豊穣を
祈ったのだろうか。
自然の厳しい、私たちアジア民族は
自然を征服することなんて
できないことを知っていた。
するべきことをして
あとは天にお任せするしかないことを知っていた。
苗を植えて、水をやり
愛を込めて丹念に育て上げる。
農耕民族の日本は、
自然の恵みと同時に
問答無用の猛威にさらされながらも
それでも、
大いなる力に敬意を表し、
たくさんの恩恵を受け、
幾多の痛手からも立ち上がり、
自然とともに生きてきた民族。
水に、木に、火に、
すべてに神々が宿り、
けっして人間の力だけでは
生きていくことはできないのだと
遺伝子で、DNAに
刻み込まれているのだろうと思う。
だからこそ
いにしえの儀式を無意識のうちに
現代においても
大切にするのではないのだろうか。
今年もたくさんの豊かな実りの年に
なりますように。
そんな願いを込めて、
華やかな
祭り囃子とともに
夏の祭事(まつりごと)が始まる。