2月13 日( 金 )より
●「美容院から一人で帰る」に挑戦!
10時過ぎ。
娘:頑張ってな!
母:はい、がんばるわ。ありがとう!
母を一人美容院の前で降ろし、
私は家に帰った。
直腸脱になる前は、
母を美容院まで送ると、
その後は、母一人で好きなところに行き、
バスかタクシーで一人で帰ってきていた。
しかし、直腸脱になって以来、
全く一人で外出できなくなった。
一人で外出するのは、9ヶ月ぶりのこと。
今日は、「母一人で帰る」に挑戦なのだ。
バスなら乗り換えなければならない。
タクシーであれば、道案内をしなければいけない。
これは、かなりの冒険なのだ。
母のかばんには、
事故や迷ったときのため、
連絡先を書いて入れてある。
何かあったら、きっとどなたかが助けてくださる。
連絡を下さるに違いない。
事故にあったとしたら、母の運命だ。
そう私は思った。
子どもを初めてのお遣いに出す心境に似ている。
お世話になるどなたかに向かって・・・
「お世話になります。
どうぞよろしくお願いいたします」。
私は、無事を祈った。
●「大丈夫!」と思える確信は?
「冒険」とは言え、
「大丈夫」と思えるだけの確信も私にはあった。
1.体力は大丈夫?
ここのところ、
週に3日ほど、母は私と一緒に散歩をしている。
直腸脱になる前は、散歩にも全く行かなかった。
むしろあの頃より、体力はあると言えるだろう。
2.道順は、大丈夫?
直腸脱になる前
美容院までの道中、
「ここは、~やな」と必ず確かめる場所が二箇所。
さて、母は、そこで反応するだろうか?
それを覚えてないのであれば、
迎えに行った方がいいかもしれない。
さて、当日母は、見事にクリアーした。
3.お金の支払いは大丈夫?
近所のサークルKへの買い物で実験・練習済み。
大丈夫だった。
この三つがあったから、
私は母を冒険の旅に出すことができたのである。
果たして母は、無事帰ってこれるだろうか?
●記憶装置の摩訶不思議よ
4時半ごろ・・・。
母は、ちゃんと帰ってきた!
一人で帰ってきた!
ぶらぶら歩いて!
ということは、バスに乗れたんだ!
娘:お母さん、どこ行ってきたん?
母:???・・・あれ・・・?
娘:何に乗って帰ってきたん?
母:???・・・あれ・・・?
今日の6時間半は、どこにしまわれているのか?
ああ、記憶装置の摩訶不思議よ。
何にせよ、今日は、母の記念日だ。
おめでとう!