たまたま朝鮮日報の日本語版を覗いたら、徴用工問題の判決に関する韓国人の投書が掲載されていた。まずは、ご覧になっていただく。文章は原文のままだが、下線は頑固爺が記入したもの。
《裁判所の判決に不賛成の意見》
(投書1)韓日請求権協定当時に日本が要求した通り、在日朝鮮人をはじめとするすべての朝鮮人労働者に対して、日本政府の代わりに韓国政府が個人賠償することにしたなら、カネを渡した日本とカネを受け取った韓国政府がその責任を履行すればいいことだ。カネを受け取った政府はどこに行き、約束はなぜ守られないのか? 支離滅裂な言動はもうやめろ、判事たちめ。
(投書2)大韓民国政府は卑劣で卑怯だ。韓日請求権協定当時、政府が代表してカネを受け取ったのに、法の手先(裁判官)を通して慰謝料として賠償を再び求めるのが正しいと言えるのか? 韓国政府が補償すべきだ。日本は当時、個人賠償を直接して、こうした問題の発生を防ごうとしたが、韓国政府が全部手に入れたんだよね。じゃあ韓国政府に責任があるのでは?
(投書3)韓日協定で終わったことをなぜまた「カネ、カネ」というのか。韓国政府が受け取ったのだから、韓国政府に「よこせ」と言うべきだ。だから「チョーセンジン」と言われるんだ。日本政府は当時、「お前らの政府は信じられない。今後問題が発生するから直接個人賠償をする」と主張したが、韓国政府が丸ごと全部受け取って食いつぶし、また『カネを出せ』と言っている。数百兆ウォン(数十兆円)以上のカネを受け取っておきながら、商道徳なんてあるものか。
《裁判所の判決に賛成の意見》
(投書4)日本のやつらの反人倫的な悪質さは公訴時効がない。当然、日本のやつらが賠償しなければならない。これ同じく、親日売国行為で蓄積した財産と権力は公訴時効がない。最後まで追跡し、すべて没収して初めて正義がよみがえる。親日売国奴をえぐり出すことこそ大韓民国に精気を取り戻すことができる方法だ。
(投書5)何でここでチョッパリ(日本人の蔑称〈べっしょう〉)の肩を持っている人々を自国民だと言えるのか。お前らのようなやつらがいるから先祖は苦労したんだし、いまだに騒々しい。協力はするが、忘れない。あいつらから真の謝罪を受けて初めて未来が見えるというものだ。ドイツはやることがないから毎年謝罪しているとでもいうのか? お願いだから変なやつらはこの国から去ってほしい。
(投書6)実際には強制的に連行されても食べることもできず、賃金も受けとれずに働いていたということだ。当時の徴用は朝鮮人地域割当制により強制的に連れて行かれたものだ。小さい時に連れて行かれなかった子どもたちは飢え死んだ。解放(日本による植民地支配からの解放=日本の終戦)後、すぐに賠償を開始していたら、個人も主張して賠償を受け取っていただろう。日本は敗戦後にこじき国になり、賠償能力もなかった。6・25戦争(朝鮮戦争)の戦争特需で、米軍の軍需品生産により日本は再建され、6・25戦争中に米国の軍政から独立した。韓国はまだ戦争中だった。韓日協定なんて夢見ることもできなかった。個人補償なんて夢のまた夢だった。6・25戦争で廃虚になった韓国はアフリカのより貧しいこじき国になった。国民すべてが生きることに精いっぱいだった。
【頑固爺所感】
《不賛成の意見に対して》
投書(1)にある「カネを渡した日本」(にも責任あり)とはどういうことなのか意味不明だが、その部分を除いた(1)と投書(2(3)はおおむね正当かつ論理的認識だと評価する。しかし、こうした良識派は少数だろう。
《賛成の意見の意見に対して》
投書(4)(5)(6)は、なにがなんでも日本を悪者にしたい感情論である。こうした感情論の底流には、学校教育における反日思想の刷り込みがあると思う。だから、韓国政府は理屈と感情論の板挟みになり、解決案を見いだせないでいる。
ところで、(4)にある親日売国行為とか親日売国奴という表現に戸惑う。それは、1965年の日韓協定で得をした人(企業)ということだろうか。それはその後の韓国の経済発展に貢献した大企業だろう。その大企業が原告に賠償金を支払うべきだ、ということなのか。
どうでもいいけど、 日本抜きで、韓国側だけで解決してもらいたいものである。