「大阪的」(井上章一著、幻冬舎)に面白いコメントを見つけた。「阪神タイガースの語尾のガ-は有声音だから、複数のSはズと濁るべきだが、長い間口に馴染んできたタイガースを今さら変えることもないだろう」と井上氏は述べている。沢田研二のバンドだったザタイガースも同様にタイガーズであるべきだったが、阪神タイガースにつられたのだろう、という。つまり、「阪神タイガース」は和製英語ということになる。
確かに複数を示すSは、語尾が無声音の場合はHawks(ホークス)のようにSが濁らないが、終わりが有声音の場合はSをズと発音する。例えば、Fighters(ファイターズ)、Lions(ライオンズ)、Swallows (スワローズ)、Dragons (ドラゴンズ)、Stars (スターズ)のごとし。但し、終わりがTの場合はツとなる。例えば、Giants、Cats、Elephantsなど。
英語民族は、子どもの時から馴染んできた発音が結果的にズかスかツになるだけのことで、有声音とか無声音による区別を聞いても「何それ?」だろう。
日本人にとっては、ズだろうがスだろうが、どうでもいいことだから、口や耳に馴染んでいる音を正しいものと認識しているのだろう。しかし、アメリカ人やイギリス人が聞いたら、「阪神タイガース」には違和感があるはずだ。
では、Dodgers 、Yankeesはどうか。日本人にはマスコミが表記するドジャース・ヤンキースが耳慣れているが、本来はドジャーズ・ヤンキーズのはずである。
また、楽天Eagles はどうか。マスコミはイーグルスと表記しているが、英米人はどう発音するか。頑固爺はアメリカに30年住んでいたが、個々の単語のSが濁るかどうかとなると自信がない。アメリカ人に聞いてから改めてご報告する。