頑固爺の言いたい放題

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レーダー照射事件:逃げた韓国

2019-01-16 16:58:42 | メモ帳

昨年12月20日に韓国駆逐艦が日本の哨戒機に火器管制レーダーを照射した件に関する日韓防衛当局間協議で、日本側は照射の証拠となる電波情報の交換を提案した。韓国はこれを拒否して「日本側は一部のレーダーだけを公開すると主張する一方、われわれの軍艦のレーダー情報をすべて要求した。これは実に無礼であり、解決の意思がない強引な主張だ」と日本を非難した。

この韓国の主張は理屈に合わない。その理由は次のようである。

日本側は電波を照射されたと主張し、韓国側は照射していないと主張しているのだから、どちらが正しいのか見極めるには、日本側が受けた電波の情報を韓国側に提示し、韓国駆逐艦が使用している電波と照合すればいい。そして、その開示は同時に行われなくてはならない。

同時の開示が必要なわけは次の通りである。

(1)かりに、日本側が先に電波Aを受けたことを開示して、韓国側に「電波Aを使用していますか」と聞けば、韓国側は「そんな電波は使用していません」と嘘を言うのではないか、と日本側が疑う。

(2)かりに、韓国側が先に電波ABCを使用していることを開示し、日本が受けた電波がDであったとしても、日本側はABCの内の一つだったと嘘を言うのではないか、と韓国側が疑う。(現実には、日本が電波Dを受けたということはありえないが)

(3)したがって、両者が嘘を言う機会を排除するには、韓国側が電波ABC全部の情報を開示することと、日本側が受けた電波の情報を開示することは同時に行われなくてはならない。

日本側は(1)になることを懸念して、(3)を主張したと思う。しかし、韓国は嘘をついたことを隠すために、「電波ABC全部を開示せよというのは無礼だ」という理屈で(3)から逃げた。やっていないなら、堂々と(3)を受ければいいのである。言い換えると、(3)はダメだと言っているのは嘘をついていることを自白しているに等しい。「解決の意思がない」のは韓国である。

では、韓国側が主張するように、全部でなく一つずつ開示すればいいのかというと、それは成り立たない。その理由は上に述べたように、電波情報は同時の開示が必要だからである。

次の交渉(があるとして)で、日本が(3)を強硬に主張すると、韓国は「電波情報は軍事機密だから開示できない」というだろう。

結局、この事案は現状のままで放置されることになると予想する。“無理が通れば、道理引っ込む”とはよく言ったものである。