パソコン上で国税庁の「確定申告書等作成コーナー」の画面に従って必要事項を入力すると、自動的に確定申告書が出来上がる。全体としてはうまく出来ていると評価する。しかし、1ヶ所だけ戸惑う画面がある。
それは、「公的年金等を入力する」画面。この画面には、“法203条の3の第1号”および“同第2号”から“同第4号”までの四つが表示されているが、納税者は法令番号には馴染みがなく、「なに、これ」と戸惑うだろう。
年金の源泉徴収票をよく見れば、小さな活字で法令番号が記載されてはいるが、納税者にはわかりにくい。ここは、納税者にわかりやすく「厚生年金」とか「国民年金」、「各種企業年金」などと表示すべきである。言い換えると、納税者の目線に立って、表示すればいいのである。
さらに、グローバル化で米国などの年金を受給している人も増えたが(私もその一人だ)、他国の年金の支払い証明書には、当然のことながら、日本の法令番号は記されていないから、どこに入力していいのかわからない。(注)
この問題には、役人の独善的思考が如実に示されていると言えよう。
ついでに、国税庁に苦言をもうひとつ申し上げたい。それは、納税に関する質問の電話がなかなかつながらないこと。「ただ今、回線が込み合っていますので、後からお掛け直しになるか、このままお待ち下さい」というメッセージが自動音声で流れてくる。長いときには、つながるまで5分ぐらいかかる。電話を一旦切って掛けなおしても同じことである。せめて、1分ぐらい待てばつながるようにしてほしいものだ。
(注)この疑問について国税庁に電話で問い合わせたら、「米国など他国からの年金は最初の“法203条の3の第1号”の欄に記入せよ」という回答があった。