韓国の文喜相国会議長の暴言は言語道断だが、それについてはマスコミの論議に任せるとして、ここでは天皇陛下を「戦争犯罪の主犯の息子」と呼んだことに含まれる「戦争犯罪」に絞って考えてみたい。
国際法は戦争において民間人を巻き込んではならないと規定しているが、それは戦争のルールを定めた条項である。これを裏返せば、戦争すること自体は犯罪ではないということになる。
しかし、東京裁判では戦争を主導した人々を犯罪者であると規定する事後法によって裁いた。法の普遍的概念として“事後法はNO” とされているから、東京裁判は法の基本理念を無視した勝者による敗者への復讐劇だった、ということになる。
当時は敗戦国としてなにも言えなかったのだろうが、戦後70余年を経過し、戦争の当事者がほとんどこの世を去った今、「戦争犯罪者」という用語について議論してもいい頃ではなかろうか。政府が言い出すことは適切ではないから、民間の識者による議論から始めてもらいたい。
とりあえずの狙いはA級戦犯の名誉回復である。戦争を主導した責任者と認定されたA級戦犯が祀られているということで日本の首相は靖国神社に参拝できないが、こんな馬鹿げた論理を甘んじて受け入れている状態は解消されるべきである。「戦争犯罪者」という汚名をそそぐことは日本という国の名誉回復でもある。