前回言い足りなかった点を補足したい。
韓国では学校教育で「日本は朝鮮を侵略し、極悪非道な統治によって国民を苦しめた」と教えるから、一般大衆はもとより大統領から裁判官にまで反日意識が強固である。
文喜相国会議長が「天皇は慰安婦に謝罪すべきだ」という暴言を吐いて日本から逆に謝罪を求められ、「賊反荷杖」(悪人が居直った)と言った事件があったが、彼の反論は心の根底に「日本悪玉」感が染み付いているからだろう。
ところが、頑固爺は商社勤務の現役時代も米国で起業してからも、韓国企業と深いかかわりがあったし、度々韓国を訪れたが、当時(1970~80年代)韓国滞在中に反日意識を感じたことはない。その頃は慰安婦問題も徴用工問題もなかったし、竹島問題は別にして、すべてのイザコザは1990年代以降の話なのである。
日本が併合時代に過酷な統治を行ったのであれば、その統治を経験した年齢層に反日意識が強く、その年齢層がいなくなれば反日意識は徐々に弱まるはずだが、逆に年々過激になっている。その理由を考えてみると、大統領が反日思想を煽ることで国民の意識統一を図ってきたことと、北の意向を汲んだ市民団体の力が強くなったためということになる。つまり、現在の軋轢は併合時代の残滓ではなく、政治問題だと考えるべきである。
では、日本は今後どう対処したらいいのか。「韓国はどうしようもない国だから、断交しかない」という声もあるが、私はなんとかして友好関係を再現し、日韓関係をwin win (平和的共存共栄)の形に構築したいと願っている。
その観点から、韓国人が歴史の歪曲に気づいて、自然発生的に「歴史見直し」気運が醸成されることが望ましい。「反日種族主義」がベストセラーになったことは、その追い風になるはずだ。さらに、日本に移住して、真逆の歴史に気づいた韓国人(呉善花、シンシアリー、WWUKなど)にはさらに韓国語で情報発信して母国に貢献してもらいたい。
私なりの思い付きを並べたが、韓国人に歴史の真実を知らせる方策はまだまだあるはずだ。知見ある人々のご協力に期待する。