頑固爺の言いたい放題

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ラムザイヤー事件は韓国の完勝

2021-03-12 15:00:43 | メモ帳
このブログで前回、ラムザイヤー教授の論文がハーバートの校内新聞で否定されたことを論じたが、その後、米国のCNN放送がこの件を報じて、韓国側を支持した。3月10日の韓国の中央日報の記事を引用する(赤字)。

米国CNN放送は10日(現地時間)、ハーバード大学ロースクールのマーク・ラムザイヤー教授の歴史わい曲情況とそれに対する批判を報じた。
CNNは、ラムザイヤー教授が「その意思に反して連れて行かれた慰安婦は、実際には売春を強要されたのではなく自分が選んだ」と主張する論文を出してから、国際的に厳しい反応の対象になったと伝えた。
また韓国や北朝鮮、中国で、女性に選択権が与えられたことはなかったとして反発している事例を詳細に説明した。
CNNは米国務省が「第2次世界大戦当時、旧日本軍による性的な目的の女性人身売買は重大な人権侵害」とし「敏感な歴史問題に対処しながら、地域と国際的共同優先順位に関する協力は進められなければならない」と明らかにした立場も伝えた。

校内新聞ならともかく、CNNが韓国の立場を支持したのでは、この件は韓国の完勝と判断していいだろう。

我々日本人は、この国務省の見解「第2次世界大戦当時、旧日本軍による性的な目的の女性人身売買は重大な人権侵害」が誤りであることを知っている。しかし、それが米国政府の公式見解であるため、CNNがその見解に基づいて、韓国の言い分を支持したのはやむをえない。

日本政府はこの米国国務省の見解を認識しているものの、河野談話があるために、あえて波風を立てないことを選択し、そのまま放置してきたと考えられる。

韓国の慰安婦裁判の判決に対して、日本政府が「主権免除の原則」とか2015年の慰安婦合意を盾にして判決を受け入れないのは法的には正しい。しかし、それでは慰安婦拉致の汚名は消えない。だから、ラムザイヤー教授や「反日種族主義」の韓国人著者たちが真実を語っても、“嘘つき”と非難される。こんな理不尽が罷り通ることが許されるのか。

“拉致”をそのままにしておくから、道義的責任は消えず、いつまでも韓国の市民団体等が日本を非難する根拠になる。胃腸が正常に機能しないことで顔に吹き出物ができた時、それを塗り薬で治療しているようなものだ。

日本政府としては、そう簡単に河野談話を撤回することができないことは理解できる。では、“拉致”を否定する方策はないのか。

右派論者が“拉致”を否定しても、国際社会は「歴史修正主義者の妄想だ」と受け止め、かえって逆効果になるだろう。

爺が思うに、効果的な方策が一つだけある。それは、読売、朝日、毎日、産経の4社が連名で、米国の大手紙に「“拉致”は朝日新聞など*による30年前の誤報に端を発する。朝日は2014年にその誤報を認め謝罪したが、韓国はその謝罪を無視し、国際社会に誤った情報を流し続けている」という趣旨の意見広告を掲載することである。

実は、この案を最近、産経新聞にメールで提出したが、無視された。この程度の案は爺ならずとも、新聞社の幹部なら容易に思いつくはずだが、動かない。彼らは不名誉な濡れ衣を着せられても、意に介さないのか。まことに不可解な日本人である。

(注)当時、読売や毎日も“拉致” を報じた。朝日の記事を見ての追従記事だと想像する。