われわれ夫婦の共通する趣味ないし娯楽はいくつかあるが、その一つは馴染みの店でゆったりと酒を飲みながら、旨いものを食べること。そして、その一軒は自宅から徒歩5分ほどの場所にあるビストロ・ネモ。
ネモは、ミスターがシェフで、ミセスが接客を担当するこぢんまりとした店。開店してから3年半ぐらいになる。4人掛けのテーブルが3卓と、カウンター席が8席。
<馴染みの店>と言っても月に1~2度しか行かないが、予約の電話を入れた時、ミセスに“コンニチワ”と言っただけで、こちらが誰だかすぐわかるらしいから、常連客の部類に入るだろう。ウィークデーにしか行かないこともあって、テーブルが3卓全部埋まることはまずないから、コロナの心配はない。メニューにある料理の品数は、多からず、少なからず(写真)。多すぎると迷うし、読むのに時間がかかるので、このくらいが丁度いい。
我々が注文する定番アイテムは、パテドカンパーニュ・ハーフ(1,100円)、きのことベーコンのキッシュ(880円)、白ソーセージ2本(1,320円)、牛ほほ肉の赤ワイン煮(2,650円)、まぐろほほ肉のムニエル(1,700円)など。どれも味は文句のつけようがなし。
きのことベーコンのキーシュ
年を取って胃袋が小さくなったこともあり、料理は腹八分目に抑えて注文し、ワイン1本を二人で飲んで、締めて一人5,000円~6,000円。安くはないが、それだけの値打ちがある出費である。
同じ事の繰り返しになり勝ちな隠居生活にメリハリをつける意味で、ネモは我々夫婦にとって、なくてはならない店なのである。