去る6月24日、韓国日報は朝鮮戦争時代(1950/6/25~1953/7/27)に存在した韓国軍を対象とする韓国人慰安婦が存在したことを報道した。その記事は、「朝鮮戦争当時の韓国軍慰安婦、国家は70年間知らんふりをしている」という見出しで、2002年に韓国人慰安婦に関する論文を発表した金貴玉漢城大教授とのインタビューを中心に構成されている。以下、韓国日報の記事の一部を引用する。(赤字)
金教授は、韓国軍慰安婦が厳然たる国家的犯罪であり、国際的責任も明らかだと強調した。金教授は「国連安保理が2000年に満場一致で採択した<女性、平和、安保に関する決議案>によれば、国家間の戦争であれ内戦であれ、性的暴力の被害者について、国家が真相究明・謝罪・解決することを勧告している」、「韓国は、この決議案に署名した国家であると同時に加害者として、韓国軍慰安婦問題に責任を負わなければならない」と述べた。
韓国軍を相手にする売春婦がいたことは、これまでも何回か韓国で報じられているから、特に目新しい案件ではない。韓国日報が6月24日の記事でこの案件を蒸し返したのは、6月25 日が朝鮮戦争の勃発した日なので、これにタイミングを合わせただけと思われる。
韓国日報の意図がどうであれ、この話題は韓国人を当惑させる。知っていてもそっとしておきたいだろう。被害者の女性たちも、忌まわしい過去を隠しておきたいと思うに違いない。
実際に、金教授はその論文の中で、被害者の女性たちが真実を語ることを拒否したと述べており、それを韓国日報が引用して報じている。(赤字)
女性を戦争で性奴隷に動員した反人倫行為という点では、韓国軍慰安婦は日本軍慰安婦を連想させる。しかし、両者の間には決定的な違いがある。韓国軍慰安婦被害者の中には、被害事実を公に明らかにした人がまだ一人もいない。キム教授も、長い間、問い合わせ続けて2人の被害者に会ったが、彼女らは存在を明らかにするのはおろか、具体的な被害事実表明さえも拒否したという。
金教授は韓国軍慰安婦が厳然たる国家犯罪だとして、国が真相を究明し、人権蹂躙だったことを謝罪すべきだ、と主張している。そして、その主張は朝鮮日報の主張でもある。
こうした中、文大統領や慰安婦支援団体は「慰安婦問題は人類普遍の人権問題だから、いかなる条約や合意にも優先する」と言い張るものの、韓国軍慰安婦については知らん顔を決め込む。
これは明らかなダブルスタンダードであり、日本軍の慰安婦問題は人権問題ではなく、韓国が日本を責めるための道具にすぎないことを物語る。