頑固爺の言いたい放題

森羅万象なんでもござれ、面白い話題を拾ってレポートします。

韓国五輪委員会の暗号的反日スローガン

2021-07-18 16:49:35 | メモ帳
今回は、韓国のオリンピック委員会が、五輪選手村の韓国選手宿舎の三階外壁に「反日」的スローガンを書いた横断幕を掲げた件をテーマにする。


横断幕は三階外壁の赤い書体。四階から上の、Xのように見えるものは太極旗。

7月18日の産経新聞の記事を引用する。(赤字)
【ソウル=時吉達也】韓国の大韓体育会(韓国オリンピック委員会)は17日、東京五輪選手村の韓国代表団の宿舎に掲示していた横断幕について、国際オリンピック委員会(IOC)から五輪憲章違反の指摘を受け、撤去したと発表した。横断幕には、韓国で「抗日の英雄」とされる李舜臣将軍の言葉をもじった文言が記載された「反日」掲示物として物議をかもしていた。

問題の横断幕は、13日に開村した選手村内の韓国代表宿舎の外壁に大韓体育会が掲示したもので、韓国語で「臣にはまだ5千万人の応援と支持が残っております」と書かれていた。豊臣秀吉による16世紀末の朝鮮出兵で日本水軍と戦った李舜臣の言葉「今臣戦船尚有十二」(臣にはまだ船が12隻あります)を引用した内容だった。

大韓体育会関係者は韓国メディアに対し「日本で開催される大会だけに、選手らの戦意を高める特別なメッセージを用意した」と説明。政治的意図はないと主張し、「日本側が過度に敏感に受け止めているのではないか」と話していた。

この事件は、17日に朝鮮日報がかなり大きく報道しており、この産経の記事はその朝鮮日報の記事を踏まえたものと思われる。

さて、「臣にはまだ5千万人の応援と支持が残っております」という文章そのものは、すっきりした文体とはいえない。「残っております」という部分が、一般的には何のことだかわからないからである。しかし、最初に「臣には」があることで、韓国人なら誰でも知っているフレーズになる。李舜臣の奮戦が反日教育の重要題材になっているからである。こんな分かりにくい文章でも、韓国人ならだれでも理解できるのである。

考えようでは、機知あふれるスローガンである。しかも、ハングルで書かれているから、対象は韓国人選手たちということになる。だから、オリンピック憲章に違反するか否かは微妙なところだ。もし、この横断幕が他国で開催されるオリンピックで使用されたのなら、まったく問題はなかったはずである(もっとも、他国で開催される五輪なら、このスローガンが使われることはないだろう)。

百歩譲って、日本で開催される五輪でも、韓国人だけが目にする特定の場所に掲げるのであれば、目くじら立てるほどのことではない。ところが、この横断幕は公道に面した建物の三階外壁に掲げられた。いくらハングルで書かれていても、ハングルを読める日本人(在日含む)はいるし、李舜臣のエピソードを知っている日本人はいる。

さらに、数年前の観艦式事件がまだ記憶に新しいということもある。観艦式事件とは、韓国海軍が各国の艦船を招待して観艦式を開催した時、国旗以外の使用を禁じた一件である。言うまでもなく、これは日本の旭日旗を狙い討ちにした措置だった。そして、日本の軍艦は旭日旗を掲げていたから、韓国に寄港しなかった。ところが、その時、韓国の旗艦は李舜臣が使用したと言われる旗を国旗とともに掲げた。このダブルスタンダードが記憶にあるから、李舜臣を引き合いに出すと、反日活動と見做される根拠になる。

朝鮮日報は17日、つぎのように報じた。(赤字)

日本の極右政党「日本国民党」関係者6-7人は16日昼、東京都内の五輪選手村前で旭日旗と拡声器を持って、「韓国の愚かな反日工作は容認できない」「韓国選手団を追い出さなければならない」と主張した。横断幕が国際五輪委員会(IOC)の禁止する「政治行為」に該当するという主張だった。デモは約1時間行われた。あるデモ参加者は聯合ニュースに「韓国選手団は日本から去ってほしい」「それが嫌なら横断幕をすぐに片付けろ。そうしないなら日本国民が直接はがすだろう」と言った。

極右政党のデモは日本では報じられなかったが、韓国では大問題になっていた。こうした中、日本はIOCを経由して大韓体育会に抗議して、横断幕を撤去させた。そして、日本の報道では、交渉結果だけが報じられたというわけである。

【頑固爺の推測】
韓国人には相手が日本だと異常に闘争意識を燃やす習性があることに着目して、大韓体育会は日本人にはわからないような反日スローガンを考案した。しかし、日本の右翼団体がこの暗号的スローガンに気づいて騒ぎ立てた。元々、大した重要案件ではないので、大韓体育会はあっさりと日本の要求に応じた、という流れではないだろうか。

右翼団体の韓国史に関する識見と語学力、そして行動力に敬意を表する。(笑)